立聞たちぎゝ)” の例文
いゝえ、ちつとも』とつてあいちやんは、『女王樣ぢよわうさま隨分ずゐぶん——』丁度ちやうど其時そのときあいちやんは女王樣ぢよわうさま其背後そのうしろ近寄ちかよつて、立聞たちぎゝしておでになるのにがつきましたから
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
お國と源次郎の奸策わるだくみ一伍一什いちぶしゞゅう立聞たちぎゝ致しまして、孝助は自分の部屋へ帰り、もう是までと思い詰め、姦夫かんぷ姦婦かんぷを殺すよりほか手段てだてはないと忠心一に思い込み
翌日よくじつハヾトフは代診だいしんれて別室べつしつて、玄關げんくわんまた立聞たちぎゝ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あとの事を遺言しやすから、わしイ泣き入って居るうちに、能くねぶいてしまいやすと、この野郎が裏から這入はえって立聞たちぎゝいしてえたもんと見えて、這入って来やアがって
神原四郎治との密談を立聞たちぎゝをしたが、其の事でこれを書かせるのだな、今こゝで書かなければ尚疑われる、兄の勤めている主人方へお屋敷の一大事を内通をする事も出来ん
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
殿様お泊番とまりばんに、源次郎がひそかにお國のもとへ忍び込み、明日みょうにち中川にて殿様を舟から突落し殺そうとの悪計わるだくみを、わたくし立聞たちぎゝをした所から、争いとなりましたが、此方こちらは悲しいかな草履取の身の上