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立籠
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たてこ
ふりがな文庫
“
立籠
(
たてこ
)” の例文
裳
(
もすそ
)
すらすら入りざま、ぴたと襖を
立籠
(
たてこ
)
めて、
室
(
へや
)
の
中央
(
なかば
)
に進み寄り、
愁然
(
しゅうぜん
)
として
四辺
(
あたり
)
を
眴
(
みまわ
)
し、坐りもやらず、
頤
(
おとがい
)
を襟に
埋
(
うず
)
みて
悄然
(
しょうぜん
)
たる、お通の
俤
(
おもかげ
)
窶
(
やつ
)
れたり。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おこのが
昼
(
ひる
)
といわず夜といわず、ひそかに
睨
(
にら
)
んだとどのつまりは、
独
(
ひと
)
り四
畳半
(
じょうはん
)
に
立籠
(
たてこ
)
もって、おせんの
型
(
かた
)
にうき
身
(
み
)
をやつす、
良人
(
おっと
)
の
胸
(
むね
)
に
巻
(
ま
)
きつけた
帯
(
おび
)
が、
春信
(
はるのぶ
)
えがくところの
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
乗合いは随分
立籠
(
たてこ
)
んだが、どこかに、空席は、と思う目が、まず何より
前
(
さき
)
に映ったのは、まだ前側から下りないで、横顔も襟も、すっきりと硝子戸越に透通る、運転手台の
婀娜姿
(
あだすがた
)
。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
只管
(
ひたすら
)
人懐
(
ひとなつ
)
かしさに、進んで、喜んで朝から出掛ける……
一頃
(
ひところ
)
皆無
(
かいむ
)
だつた
旅客
(
りょかく
)
が急に
立籠
(
たてこ
)
んだ時分は
固
(
もと
)
より、今夜なども
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
落溜
(
おちたま
)
つたやうに方々から
吹寄
(
ふきよ
)
せる客が十人の上もあらう。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……六畳は
立籠
(
たてこ
)
めてあるし、
南風気
(
みなみけ
)
で、その上暖か過ぎたでしょう。
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立塞
立留