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白絽
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しろろ
ふりがな文庫
“
白絽
(
しろろ
)” の例文
髪をさげ下地にして、細模様の
縫入墨絵
(
ぬいいれすみえ
)
で
河原撫子
(
かわらなでしこ
)
を描いた
白絽
(
しろろ
)
の
単衣
(
ひとえ
)
に綿の帯を
胸高
(
むなだか
)
に締め、腕のあたりでひきあわせた両袖は、霞かとも雲かとも。
顎十郎捕物帳:21 かごやの客
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そのいちばん奥にだけ
仄青
(
ほのあお
)
い燭の光が洩れている。光秀はそこにいた。
近習
(
きんじゅ
)
も小姓も見えない。ただ独り
白絽
(
しろろ
)
の小袖を着、太刀、
脇息
(
きょうそく
)
を寄せて坐っていた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
織屋
(
おりや
)
は
仕舞
(
しまひ
)
に
撚糸
(
よりいと
)
の
紬
(
つむぎ
)
と、
白絽
(
しろろ
)
を一
匹
(
ぴき
)
細君
(
さいくん
)
に
賣
(
う
)
り
付
(
つ
)
けた。
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
押
(
お
)
し
詰
(
つま
)
つた
暮
(
くれ
)
に、
夏
(
なつ
)
の
絽
(
ろ
)
を
買
(
か
)
ふ
人
(
ひと
)
を
見
(
み
)
て
餘裕
(
よゆう
)
のあるものは
又
(
また
)
格別
(
かくべつ
)
だと
感
(
かん
)
じた。すると、
主人
(
しゆじん
)
が
宗助
(
そうすけ
)
に
向
(
むか
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこへ、はらはらとかかる
白絽
(
しろろ
)
の
袂
(
たもと
)
に、魂を結びつけられたか、と思うと、
筋骨
(
すじぼね
)
のこんがらかって、
捌
(
さばき
)
のつかないほど、
揉
(
も
)
み立てられた
身体
(
からだ
)
が、自然に
歩行
(
ある
)
く。……足はどこを踏んだか覚えなし。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
織屋はしまいに
撚糸
(
よりいと
)
の
紬
(
つむぎ
)
と、
白絽
(
しろろ
)
を
一匹
(
いっぴき
)
細君に売りつけた。宗助はこの押しつまった暮に、夏の絽を買う人を見て
余裕
(
よゆう
)
のあるものはまた格別だと感じた。すると、主人が宗助に向って
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
絽
漢検1級
部首:⽷
13画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々