發狂はつきやう)” の例文
新字:発狂
成程外には俺を張出さうとする力もあるのよ。だがうちから押出さうとする力も強い、これじや耐らん、惱亂なうらんする。無理に耐へたら遂に悶死もだえじにだ!………でなけア發狂はつきやうだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
院長殿ゐんちやうどの、とう/\發狂はつきやう御坐ござつたわい。』と、ハヾトフは別室べつしつながらのはなし
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こぶしむねつていのるかとおもへば、すぐゆびあな穿つたりしてゐる。これ猶太人ジウのモイセイカともので、二十年計ねんばかまへ自分じぶん所有しよいう帽子製造場ばうしせいざうばけたときに、發狂はつきやうしたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
戸口とぐちからだい一のものは、せてたかい、栗色くりいろひかひげの、始終しゞゆう泣腫なきはらしてゐる發狂はつきやう中風患者ちゆうぶくわんじやあたまさゝへてぢつすわつて、一つところみつめながら、晝夜ちうやかずかなしんで、あたま太息といきもら
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)