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田圃側
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たんぼわき
ふりがな文庫
“
田圃側
(
たんぼわき
)” の例文
私は本町の裏手から停車場と共に開けた
相生町
(
あいおいちょう
)
の道路を横ぎり、古い士族屋敷の残った
袋町
(
ふくろまち
)
を通りぬけて、
田圃側
(
たんぼわき
)
の細道へ出た。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どこの
田圃側
(
たんぼわき
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ても、どこの
畠
(
はたけ
)
の
隅
(
すみ
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ても、
子供
(
こども
)
といふ
子供
(
こども
)
の
集
(
あつ
)
まつて
居
(
ゐ
)
るところでは、その
遊
(
あそ
)
びが
始
(
はじ
)
まつて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
更に小諸町裏の
田圃側
(
たんぼわき
)
へ出て見ると、浅々と
萌
(
も
)
え出た麦などは皆な白く埋もれて、岡つづきの起き伏すさまは、さながら雪の波の押し寄せて来るようである。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と
言
(
い
)
つて、
近所
(
きんじよ
)
の
子供
(
こども
)
も
手造
(
てづく
)
りにした
凧
(
たこ
)
を
揚
(
あ
)
げに
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
田圃側
(
たんぼわき
)
の
枯
(
か
)
れた
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
には、
木瓜
(
ぼけ
)
の
木
(
き
)
なぞが
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
まして、
遊
(
あそ
)
び
廻
(
まは
)
るには
樂
(
たのし
)
い
塲所
(
ばしよ
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
蟋蟀
(
こおろぎ
)
などの
啼出
(
なきだ
)
した
田圃側
(
たんぼわき
)
、それから柴車だの草刈男だのの通る
淋
(
さび
)
しい林の中などを思出していた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
裏町や、
小路
(
こうじ
)
や、
田圃側
(
たんぼわき
)
の細い道なぞを
択
(
えら
)
んで、勝手を知った人々は多く
往
(
い
)
ったり来たりする。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
途中で捨吉が振返って見た時は、まだ兄妹は枯々とした
田圃側
(
たんぼわき
)
に立って見送っていてくれた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
田圃側
(
たんぼわき
)
は、高瀬が行っては草を
藉
(
し
)
き、土の
臭気
(
におい
)
を嗅ぎ、百姓の仕事を眺め、畠の中で吸う
嬰児
(
あかんぼ
)
の乳の音を聞いたりなどして、暇さえあれば歩き廻るのを楽みとするところだ。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
根津の丘、姫子沢の谷、鳥が
啼
(
な
)
く
田圃側
(
たんぼわき
)
なぞに霜枯れた雑草を
蹈
(
ふ
)
み乍ら、十一月上旬の野辺に満ちた光を眺めて
佇立
(
たゝず
)
んだ時は、今更のやうに胸を流れる活きた血潮の若々しさを感ずる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
僕が
田圃側
(
たんぼわき
)
なぞに
転
(
ころ
)
がっていると、向の谷の方から三脚を持った人がニコニコして帰って来る——
途次
(
みちみち
)
二人で画や風景の話なぞをして、それから僕がSさんの家へ寄ると、写生を出して見せてくれる
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は小諸の町裏にある
田圃側
(
たんぼわき
)
に身を置いて居るやうな気がする。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
圃
漢検準1級
部首:⼞
10画
側
常用漢字
小4
部首:⼈
11画
“田圃”で始まる語句
田圃
田圃道
田圃路
田圃径
田圃面
田圃中
田圃伝
田圃向
田圃組
田圃脇