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猶々
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なおなお
ふりがな文庫
“
猶々
(
なおなお
)” の例文
で、そう事が解って見ると、私は
猶々
(
なおなお
)
怖く恐しく感じて、
迚
(
とて
)
もここに長居する気がないから、
其日
(
そのひ
)
の
中
(
うち
)
に
早々
(
そうそう
)
ここを
引払
(
ひきはら
)
って、再び
倫敦
(
ロンドン
)
へ
逃帰
(
にげかえ
)
る。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
男は奥様を抱くようにして、御耳へ口をよせて
宥
(
なだ
)
め
賺
(
すか
)
しますと、奥様の御声はその
同情
(
おもいやり
)
で
猶々
(
なおなお
)
底止
(
とめど
)
がないようでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
猶々
(
なおなお
)
先般来小生の如き者に寄せられたる御家族一同の御好意の数々は感激に堪えない。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なまじ十手を振廻したり
何
(
なん
)
かしただけに
猶々
(
なおなお
)
始末がつきませんや。でも、その梶井という
武士
(
さむらい
)
も案外
捌
(
さば
)
けた人で一緒に笑ってくれましたから、まあ、まあ、どうにか
結末
(
おきまり
)
は付きましたよ
半七雑感
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
だいいち阿蘭陀人には、ロオマンの言葉がわからぬうえに、まして、その言うところは半ば日本の言葉もまじっているのであるから、
猶々
(
なおなお
)
、聞きわけることがむずかしかったのであろう。
地球図
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
妻より人
遣
(
つか
)
わし候わば、御大儀ながら御越し候て、この書中の通りを、よき程に読んでお聞かせ下さるべく、
女子
(
おなご
)
でも、さのみ騒ぐまじく覚え
有之
(
これあり
)
候あいだ、仰せ聞け下さるべく、
猶々
(
なおなお
)
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イロイロ
揉
(
も
)
メテ片附カズ、ソノ時、オレガ本家トハ心安イカライロイロナダメ、トウトウ家督ニサセタ故、天野ノ親類ガ
悦
(
よろこ
)
ンデ、
猶々
(
なおなお
)
アトノコトヲ頼ミオッタカラ、世話ヲシテイルウチ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「だが、うっかり姿を隠したら
猶々
(
なおなお
)
こっちに疑いがかかる訳じゃあないか」と、男はまだ躊躇しているらしく答えた。
半七捕物帳:31 張子の虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
時々立止って、
仰
(
あおむ
)
きながら首を振る度に、
猶々
(
なおなお
)
胸が込上げてくる。足許の蟋蟀は、ばったり歌をやめるのでした。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
御尤
(
ごもっと
)
モニハゴザリマスガ、是モヤハリ身上ノタメニ、ツキ合イニ参リマスト云ウト、
猶々
(
なおなお
)
怒ッテ、何事モオレニ向ッテ口答エヲスル、親類ガ、オレガ云ウコトヲ誰モ云イ返ス者ハナイニ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大名小路の
金碧
(
こんぺき
)
さんらんたる門や構えを見て来た眼で——ここの暗やみ坂の青葉の底に、そこらの百姓家の屋根と変らない——ただ鰹木と
注連
(
しめ
)
だけが違う——
佗
(
わび
)
しいお宮を見ると、
猶々
(
なおなお
)
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう聞いては
猶々
(
なおなお
)
聞逃
(
ききのが
)
す訳には
往
(
ゆ
)
かぬ、私は
猶
(
なお
)
も
畳
(
たたみ
)
かけて、「それじゃア
其
(
そ
)
の窓が祟るのだね」相手は笑って
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
祖母さんはじめ、皆々様
御機嫌
(
ごきげん
)
よくと書いた。義雄大兄、捨吉拝と書いた。
猶々
(
なおなお
)
、泉太繁等は時々お訪ねすることがあろうと思うが、それだけは御許しを願って置くと書いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
兵庫ガウチノ様子ヲイロイロ話シテ、ソノ時、橋本ト深津ハ後ヘ残ッテ居テ、以来ハ親類同様ニシテクレトイウテカラ、両人ガ
起請文
(
きしょうもん
)
ヲ壱通ズツヨコシタ、ソレカラ
猶々
(
なおなお
)
本所中ガ従ッタヨ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
帰国以来急激に変って来た節子との関係から言っても、
猶々
(
なおなお
)
それが出来なくなった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
猶
常用漢字
中学
部首:⽝
12画
々
3画
“猶”で始まる語句
猶
猶予
猶太
猶更
猶太人
猶豫
猶且
猶子
猶與
猶大