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然々
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さう/\
申しけれども丁山も餘り
度々のことなれば
然々は
工面も出來ず併し母樣が御病氣ならば主人へ願ひ兩人で
引取何の樣にも
看病致さん
何うぞ
然して給はれと
言れて長庵
驚愕せしがお安も
追々快方なれば近き内に連て來て兩人に
逢して遣りませう金が出來ずば夫でよしとは
見物あれと無理に
勸むる故毎度の
勸め
然々斷るも氣の毒と思ひ
或日夕暮より兩人同道にて二丁町へ到り
其處此處と見物して
行歩中常盤屋と書し
暖簾の下りし
格子の中におときといふ女の居りしが文藏
不※恍惚し
體に
彳みける佐五郎はやくも
見付何か文藏に
私語其家へ上りしが
病にて文藏は
成るなら止め
置ますが餘り段々
日延に成ばかりに付利上でもなければ
然々止置譯には參りません今丁度流れ買が來て
居りますから
賣拂はうと思ひますが
何成れますか一寸聞て
來いと申しました文右衞門樣
何成れますと小僧は足元から鳥の
立樣に
火急の
催促に來りければ大橋は甚だ
當惑の
體にて
然樣かなと
暫時考へしが
否左に
右あれは