激怒げきど)” の例文
大統領の激怒げきどである。ぐずぐずしていては、後のたたりの程もおそろしと、旗艦きかんマサチュセッツから発せられる総爆撃雷撃の命令!
平常、ご思慮ある将軍が、何とて、きょうばかりさように激怒げきどなされますか。曹操は年来、玄徳を殺さんとしているんです。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、きふひと院長ゐんちやうだとわかつたので、かれ全身ぜんしんいかりふるはして、寐床ねどこから飛上とびあがり、眞赤まつかになつて、激怒げきどして、病室びやうしつ眞中まんなかはし突立つゝたつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
柔和さうに見えた小六郎が、打つて變つた激怒げきどに身を顫はせて、一刀の鯉口こひぐちをきつて詰め寄るのでした。
信一郎は、平手で真向から顔を、ピシャリと、たたかれたような侮辱を感じた。もし、相手が女性でなかったら、立ち上りざま殴り付けてでもやりたいような激怒げきどを感じた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
と、きゅうひと院長いんちょうだとわかったので、かれ全身ぜんしんいかりふるわして、寐床ねどこから飛上とびあがり、真赤まっかになって、激怒げきどして、病室びょうしつ真中まんなかはし突立つったった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
だが、この要求が、堀秀政のれるところとならず、使番たちが激怒げきどして帰ったことは、さきに記した通りである。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はしなくも、遺恨試合いこんじあいとなった激怒げきどのハズミに、才蔵さいぞうやりいきおいで、虚空こくうにとばされた白栴檀しろせんだん木太刀きだちが、そのとき、つつがなく地上に落ちてかえってくれば、なんのことはなかったのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、激怒げきどした。かれとして、めずらしいほど怒色どしょくを、おもてに出した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)