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浪人
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ろうにん
ふりがな文庫
“
浪人
(
ろうにん
)” の例文
「主取りはもうこりこりじゃて、固苦しい
勤仕
(
きんじ
)
は真平じゃ。
天涯独歩
(
てんがいどっぽ
)
浪人
(
ろうにん
)
の境涯が、身共には一番性に合うとる。はっはっは。」
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
その
群集
(
ぐんしゅう
)
のなかに立って、かれの
挙動
(
きょどう
)
を
凝視
(
ぎょうし
)
しているふたりの
浪人
(
ろうにん
)
——
深編笠
(
ふかあみがさ
)
に
眉
(
まゆ
)
をかくした者の
半身
(
はんしん
)
すがたがまじって見えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしの夫、
一番
(
いちばん
)
ヶ
瀬
(
せ
)
半兵衛
(
はんべえ
)
は
佐佐木家
(
ささきけ
)
の
浪人
(
ろうにん
)
でございます。しかしまだ一度も敵の前に
後
(
うし
)
ろを見せたことはございません。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
浪人
(
ろうにん
)
同様で、昔に
比
(
くら
)
べたら、尾羽うち枯らさないばかりの
体
(
てい
)
たらくだって、よく弟ともそう申しては笑うこってございますよ
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こないだも、
水戸
(
みと
)
の
浪人
(
ろうにん
)
だなんていう人が
吾家
(
うち
)
へやって来て、さんざん文句を並べたあげくに、何か書くから紙と筆を貸せと言い出しました。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
博雄は当時八歳であって、親の手もとを全く離れたことはない。
浪人
(
ろうにん
)
の子であるから、殆んど旅行したこともない。それが果して疎開に
堪
(
た
)
えるであろうか。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
吾れから
捨
(
す
)
てぬ
先
(
さ
)
きに、向うからさっさと片づけてもらうのは、
魯智深
(
ろちしん
)
の
髯
(
ひげ
)
ではないが、
些
(
ちと
)
惜しい気もちがせぬでもなかった。兎に角彼は最早
浪人
(
ろうにん
)
では無い。無宿者でも無い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
(二)「農家義人伝」、「
本朝
(
ほんちょう
)
姑妄聴
(
こもうちょう
)
」(著者不明)等によれば、伝吉の
剣法
(
けんぽう
)
を学んだ師匠は
平井左門
(
ひらいさもん
)
と云う
浪人
(
ろうにん
)
である。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「父はもと甲州二十七
将
(
しょう
)
の一人であったが、拙者の
代
(
だい
)
となってからは天下の
浪人
(
ろうにん
)
、
大津
(
おおつ
)
の町で
弓術
(
きゅうじゅつ
)
の
指南
(
しなん
)
をしている山県蔦之助ともうすものじゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かの志士と云い、勇士と云い、智者と云い、善人と云われたるものもここにおいてかたちまちに
浪人
(
ろうにん
)
となり、暴士となり、盲者となり、悪人となる。
作物の批評
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
にわかに
講武所
(
こうぶしょ
)
の創設されたとも聞くころで、
旗本
(
はたもと
)
、
御家人
(
ごけにん
)
、
陪臣
(
ばいしん
)
、
浪人
(
ろうにん
)
に至るまでもけいこの志望者を募るなぞの物々しい空気が満ちあふれていた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ところが、ここにも、
浪人
(
ろうにん
)
生活らしいものがからみついている。その前日友人が
訪問
(
ほうもん
)
して来て、碁を打ち出したのである。夜もおそくなり、暁になった。碁というものは
厄介
(
やっかい
)
なものである。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
命令も下さないのに勝手な軍歌をうたったり、軍歌をやめるとワーと訳もないのに
鬨
(
とき
)
の声を
揚
(
あ
)
げたり、まるで
浪人
(
ろうにん
)
が町内をねりあるいてるようなものだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の
絵蝋燭
(
えろうそく
)
は一つ一つふき消されて、かなたこなたから
狩
(
か
)
りだされた四、五十人の
浪人
(
ろうにん
)
が、いずれも
覆面黒装束
(
ふくめんくろしょうぞく
)
になって、
荒廃
(
こうはい
)
した
石壁
(
いしかべ
)
の
会堂
(
かいどう
)
へあつまってくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“浪人”の意味
《名詞》
他国を流浪する者、浮浪人。
自分が仕える主人を去(さ)り、禄を離(はな)れた者。
失業すること、失業者。
入学試験に落第したが、以後も進学を希望する者。
(出典:Wiktionary)
“浪人”の解説
浪人(ろうにん)は、古代においては、戸籍に登録された地を離れて他国を流浪している者のことを意味し、浮浪とも呼ばれた。身分には囚われず、全ての民衆がなりうる。江戸時代中期頃より牢人を浪人と呼ぶようになった。したがって牢人と浪人は正確には別義である。
(出典:Wikipedia)
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“浪人”で始まる語句
浪人者
浪人骨
浪人體
浪人生活
浪人体
浪人後
浪人犬
浪人組
浪人職
浪人衆