氣味ぎみ)” の例文
新字:気味
彼はこの問ひを少し急ぎ氣味ぎみに出した。彼はこの申出に對して怒つた、或ひは少くとも輕蔑けいべつした拒絶を半ば期待してゐるらしかつた。
わびしさ……わびしいとふは、さびしさも通越とほりこし、心細こゝろぼそさもあきらめ氣味ぎみの、げつそりとにしむおもひの、大方おほかた、かうしたときことであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
流石さすがのおけるお他人たにんにはすこ大人をとならしくおあそばせど、お心安こヽろやすだてのわがまヽか、あま氣味ぎみであのとほりの御遠慮ごゑんりよなさ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
相場さうば氣味ぎみときにやうつかりすつと損物そんものだかんな、なんでも百姓ひやくしやうしてこくんでものが一とうだよ、卵拾たまごひろひもなあ、赤痢せきりでも流行はやつててな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其樣そんなにわたしにくいんですか。憎いなら憎いやうに………」とかつとしたていで、突ツかゝり氣味ぎみになると
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ねずみあわてたやうに、あせり氣味ぎみにちかつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)