毒々どくどく)” の例文
あざみは、なまずのいうことに、みみをかたむけているうちに、人間にんげんが、自分じぶん毒々どくどくしい、野卑やひはなだといって、あしげにしたことをおもしました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
突然白け切った夜の静寂せいじゃくを破って、けたたましい音響がほとばしる。毒々どくどくしい青緑色せいりょくしょく稲妻いなずま天井裏てんじょううらにまで飛びあがった。——電路遮断器サーキット・ブレッカーが働いて切断したのだった。
白蛇の死 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして建物たてものいただきにそびえたった煙突えんとつからは、よるあおそらに、毒々どくどくしいにごったけむりしているのでありました。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それが急にふくれあがってきたと思うと、大きな黒竜こくりゅうが立っているような形とかわった。それが次には、えたいの知れない前世紀ぜんせいきの動物みたいになって、色も急に毒々どくどくしくなった。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、砂漠さばくのかなたに、あかまちが、不思議ふしぎな、毒々どくどくしいはなのように、ほこっているのでありました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すこしくると、魚屋さかなやがありました。みせさきのだいうえに、おおきながおいてありました。そのにくいろは、おどろくばかり毒々どくどくしく、赤黒あかぐろくて、かつて、さかなでは、こんなのをたことがありません。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)