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しにざま
ふりがな文庫
“
死様
(
しにざま
)” の例文
旧字:
死樣
気の小さな浅之丞は、
死様
(
しにざま
)
のむごたらしさを
甚
(
ひど
)
く気に病むでゐたが、その
翌
(
あく
)
る日から自分の腹のなかで猫の啼き声がすると言ひ出した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「姉さんにあんな
虐
(
むご
)
たらしい
死様
(
しにざま
)
をさせたのも、要さんの職を取り上げたのも、みんな、天とう様のせいかねえ」
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その浅ましい
死様
(
しにざま
)
が
曝
(
さら
)
されず、神隠しになっているがお慈悲じゃ、沼へ落ちたなら、死体がまったく底へ沈んでしまって浮き出さないように、岩にぶっ裂かれたんなら
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは
好
(
よ
)
いお
思附
(
おもいつき
)
である。この度の事については、
命乞
(
いのちごい
)
の仲裁なら決して聴くまいと決心していたが、晴がましい
死様
(
しにざま
)
をさせるには及ばぬというお考は道理至極である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
翌朝やつと明るくなる頃、
襤褸
(
ぼろ
)
を着た
跣足
(
はだし
)
の老人が来て、フロルスに逢ひたいと云つた。主人の怪しい
死様
(
しにざま
)
に就いて、何か分かるかと思つて、差配人が出て老人に逢つた。
フロルスと賊と
(新字旧仮名)
/
ミカイル・アレクセーヴィチ・クスミン
(著)
▼ もっと見る
物静かな
死様
(
しにざま
)
だったけれど、それは、鷺太郎の
慥
(
たしか
)
に二人連れであったという証言——、それに
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
これが静子の夫であり、碌々商会の重役である小山田六郎氏の、悲惨な
死様
(
しにざま
)
であったのだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
可愛い
児供
(
こども
)
の生れた時、この児も或は年を老つてから
悲惨
(
みじめ
)
な
死様
(
しにざま
)
をしないとも限らないから、いつそ今
斯
(
か
)
うスヤ/\と眠つてる間に殺した方が
可
(
いい
)
かも知れぬ、などと考へるのは
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
こんな
死様
(
しにざま
)
をしなけりゃならねえ
理由
(
わけ
)
も——あったようにゃあ思われねえが——いやこうと言っちゃなんだが、例の、そら、奥州路の探しものにさっぱり当たりがつかねえので
釘抜藤吉捕物覚書:10 宇治の茶箱
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
道子は、さきに述べたように、無惨極まる
死様
(
しにざま
)
をしていたのですが、傷は三ヶ所で左右の胸に各一ヶ所、それから右の頬に軽い切傷が一つありました。致命傷は左胸部の刺創でありました。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
アララット山に神智広大能く未来を言い
中
(
あ
)
つる大仙ありと聞き、自ら訪れて「汝に
希有
(
けう
)
の神智ありと聞くが、どんな
死様
(
しにざま
)
で終るか話して見よ」と問うと、「われは汝に殺されるべし」と答えたので
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
甲「どうしてあの人はあんな
死様
(
しにざま
)
をしただろうか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女優柳糸子が、不思議な
死様
(
しにざま
)
をしたと知れたのは、その翌日の午後、夕刊の締切近い時刻でした。
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その二人のいずれもが、なんとも原因不明な
死様
(
しにざま
)
をしてしまった。死んだとは思われない。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
祥雲氏
迚
(
とて
)
ももう助からないものと覚悟をした。同じ死ぬるのだつたら、せめて
死様
(
しにざま
)
だけは立派にしたいものだと、起き上つて蒲団を四つに畳むだ。そしてその上に
上
(
あが
)
つて座禅を組むだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
他部族の男の種を宿さぬよう
麁末
(
そまつ
)
な手術を仕損じてか、とにかくその頃の婦女にはかようの
死様
(
しにざま
)
が実際あったので、現今見るべからざる奇事だから昔の記載は虚構だと断ずるの非なるは先に論じた。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“死”で始まる語句
死
死骸
死人
死屍
死際
死霊
死去
死亡
死別
死刑