横合よこあ)” の例文
二人ふたりは、みせまえをはなれると、しました。ちょうどそのとき、横合よこあいから、演習えんしゅうにいった兵隊へいたいさんたちがみちをさえぎりました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうしてせっかくれかけたきつね横合よこあいからられてしまったのですから、悪右衛門あくうえもんはくやしがって、やたらに保名やすなにくみました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
横合よこあいから飛びだしゃあがって、なにをてめえなんぞの知ったことか。いたふうな文句もんくをつける以上いじょうは、この喧嘩けんかを買ってでるつもりか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は年をとり気力がすでに衰えて、そう多量の仕事を分担することが許されぬが、稲作いなさくの問題だけは、是からもなおすこしずつ考えて行き、必要とならば横合よこあいから口をはさんでみようとしている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
横合よこあいから投げ独楽ごまをすくいったあかぼうと見えたのは、朱漆しゅうるしをといだ九しゃくやりであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへおりよく童子どうじめが来合きあわせて、横合よこあいから手柄てがらうばっていったのでございます。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ふいに不遠慮ぶえんりょな一ぴきが横合よこあいから、その金魚きんぎょをつつきました。
水盤の王さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
あいついかに横着者おうちゃくものとはいえ、まだ子供は子供、きっと独楽をもどしてしさに、なにもかもしゃべりだすにちがいない——と考えたので、大人おとなげないが、横合よこあいからさらってきた
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)