“樓(ろう)” の例文
新字:楼
すると、幸門の上の樓(ろう)へ上る、幅の廣い、之も丹を塗つた梯子(はしご)が眼についた。上(うへ)なら、人がゐたにしても、どうせ死人(しにん)ばかりである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
末(すゑ)は何(なに)となる身(み)ぞ、兩親(れうしん)ありながら大目(おほめ)に見(み)てあらき詞(ことば)をかけたる事(こと)も無(な)く、樓(ろう)の主(あるじ)が大切(たいせつ)がる樣子(さま)も怪(あや)しきに、聞(き)けば養女(やうぢよ)にもあらず親戚(しんせき)にてはもとより無(な)く、姉(あね)なる人(ひと)が身賣(みう)りの當時(たうじ)
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
鑑定(めきゝ)に來(き)たりし樓(ろう)の主(あるじ)が誘(さそ)ひにまかせ、此地(このち)に活計(たつき)もとむとて親子(おやこ)三人(みたり)が旅衣(たびごろも)、たち出(いで)しは此譯(このわけ)、それより奧(おく)は何(なに)なれや、今(いま)は寮(りよう)のあづかりをして母(はゝ)は遊女(ゆうぢよ)の仕立物(したてもの)、父(ちゝ)は小格子(こがうし)の書記(しよき)に成(な)りぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)