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梅屋敷
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うめやしき
吾妻橋から
木母寺まで、長い
堤に、春ならば花見の客が
雑踏し、
梅屋敷の梅、夏は、酒をつんでの船遊び——。
先生のみか
世人を
驚かすも
安かるべしと、
門外に
躊躇してつひに
入らず、
道引かへて百
花園へと
赴きぬ、
新梅屋敷百
花園は梅の
盛りなり、
御大祭日なれば
群集も
其筈の
事ながら
さるほどに
相添ひてより五
年目の
春、
梅咲く
頃のそゞろあるき、
土曜日の
午後より
同僚二三
人打つれ
立ちて、
葛飾わたりの
梅屋敷廻り
歸りは
廣小路あたりの
小料理やに、
酒も
深くは
呑ぬ
質なれば
此の
梅屋敷は文化九年の春より
菊塢が開きしなり、百
花園菊塢の
伝は
清風廬主人、さきに
国民之友に
委しく
出されたれば、
誰人も知りたらんが、
近頃一新聞に
菊塢は
無学なりしゆゑ