桂次けいじ)” の例文
不器用ぶきようなればお返事へんじのしやうもわからず、唯々たゞ/\こ〻ろぼそくりますとてをちゞめて引退ひきしりぞくに、桂次けいじ拍子ひようしぬけのしていよ/\あたまおもたくなりぬ。
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小説「ゆく雲」の中には桂次けいじという学生の言葉をかりて
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ねんばかりまへにうせたる先妻せんさいはらにぬひとばれて、いま奧樣おくさまにはまゝなるあり、桂次けいじがはじめてときは十四か三か、唐人髷とうじんまげあかれかけて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
幸福しやわせならぬことおのづから其中そのうちにもあり、おさくといふむすめ桂次けいじよりは六つの年少とししたにて十七ばかりになる無地むぢ田舍娘いなかものをば、うでもつまにもたねばおさまらず
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
飛鳥もあとを濁ごすなに候へば、大藤の大盡が息子と聞きしに野澤のざは桂次けいじは了簡の清くない奴、何處やらの割前わりまへを人に背負せて逃げをつたなどゝ斯ふいふ噂があと/\に殘らぬやう
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大藤おほふぢ大尽だいじんが息子と聞きしに野沢の桂次けいじ了簡りようけんの清くない奴、何処どこやらの割前を人に背負せよはせて逃げをつたなどとかふいふうわさがあとあとに残らぬやう、郵便為替にて証書面のとほりお送り申候へども
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)