暖気だんき)” の例文
旧字:暖氣
さて春をむかへて寒気次第にやはらぎ、その年の暖気だんきにつれて雪も降止ふりやみたる二月のころ水気すゐき地気ちきよりも寒暖かんだんる事はやきものゆゑ
すすむこと一里半にしてきふ暖気だんきかんず、俯視ふしすれば磧礫間温泉おんせんありて数ヶ所にづ、衆皆くわいぶ、此処はあざはな或は清水沢しみづさはと称し
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
夜分などはヤクの乾したふんを沢山集めそれを燃して暖気だんきを取らないとどうも寒くてたまらぬ。日本の厳冬げんとうの間よりもなお厳しい寒さを感じたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ドアを押して入ると、ムッとせかえるような生臭なまぐさ暖気だんきが、真正面から帆村の鼻をおさえた。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
をれしところちからよわりきれる事あり、是故このゆゑに上品の糸をあつかふ所はつよ火気くわき近付ちかづけず、時によりるにおくれて二月のなかばにいたり、暖気だんきを得て雪中の湿気しつきうすき時は大なるはちやうの物に雪をもりはたまえおき