明智めいち)” の例文
と、蔦之助つたのすけはまた悶々もんもんとだまって、いまはただ、この民部の頭脳ずのうに、神のような明智めいちがひらめけかし、とジッといのるよりほかはなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、それにもかかわらず、この先天的殺人者は大探偵ガンスの明智めいちの前にはかなくもやぶれ去ったのであるが。
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
川へながしたるに女の首のみやなぎえだとまりたるは則ちえんも引ものか左右とかくあやしき所なり必定ひつぢやう此公事は願人共の不筋ふすぢならんと流石さすが明智めいち眼力がんりき洞察みぬかれしこそ畏こけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一門方いちもんがた幼君えうくん明智めいちかんじて、少時しばらくはたゞかほ見合みあはされしが、やがて御挨拶ごあいさつ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その明智めいちさばきに享楽するといった肌合いの男です。
さかゆる事天のめぐみとは云乍いひながら一ツには大岡越前守殿の明智めいち英斷えいだんるものなりともつぱ當時たうじ人々ひと/″\うはさをなせしとぞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つくされしは京都堂上方だうじやうがた御内みうち關係かゝはるの事がらなればなりされど四海にとゞろ明智めいち忠相たゞすけ殿ゆゑ始終しじうの所まで洞察みとほされて嚴敷きびしくたづねられければ大惡だいあく無道ぶだうの安間平左衞門も終に白状に及び口書も相濟あひすみとがめの次第を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)