ぼう)” の例文
遠慮ゑんりよ女房等にようばうらにおしなはなしをされるのはいたづらに哀愁あいしうもよほすにぎないのであるが、またぼうにははなしをしてもらひたいやうな心持こゝろもちもしてならぬことがあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
今夜こんやこれからすぐてき本営ほんえい高松殿たかまつどのにおしよせて、三ぼうから火をつけててた上、かってくるてきを一ぽうけてはげしくてることにいたしましょう。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
さらにあわれをとどめたのは——大勢おおぜいの客を呼びあつめ足駄あしだばきで三ぼうにのっていた歯磨はみがき売りの若い男、居合いあいの刀を持っていたところから、一も二もなく目がけられて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『おことばに甘えて、憚りながら、香炉こうろ一つに、三ぼう一脚をお貸し賜わるまいか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)