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とゝ
日に
繼で支度に
掛ば二月の末には
萬々用意は
整のひたり爰に皆々を
呼集め
評定に及ぶ樣は
直さま江戸へ下るべきや又は大坂表へ出て
動靜を
御恨み申は
罪のほども
恐ろしゝ
何ごとも
殘さず
忘れてお
主さまこそ二
代の
御恩なれ
杉原三
郎といふお
人元來のお
知人にもあらず
况てや
契りし
事も
何もなし
昨日今日逢しばかり
若かもお
主さまの
戀人に
未練のつながる
筈はなし
御縁首尾よく
整のへて
睦ましく
暮し
給ふを
する者も
無れど誰しも欲の世の中なれば身上の太きに
愛て
言込者も又多かり然共持參金の不足より
毎も相談
整のは
外さず話しなば必ず
縁談整のはんと彼の富澤町なる甲州屋吉兵衞の次男千太郎の
身持を
篤と
探りしに
何所で
訪ても
能若者なりと
賛成ざる者の無かりしかば其趣きを