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損得
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そんとく
ふりがな文庫
“
損得
(
そんとく
)” の例文
子供はその生れる
境遇
(
きょうぐう
)
によって、非常な
損得
(
そんとく
)
をする。しかし父親だって、運命のもとにあえぎあえぎ生きているのだから致し方もない。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
「君、あれは本当に校長が
悪
(
にく
)
らしくつて排斥するのか、
他
(
ほか
)
に
損得
(
そんとく
)
問題があつて排斥するのか知つてますか」と云ひながら鉄瓶の湯を紅茶々碗の
中
(
なか
)
へ
注
(
さ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
考
(
かんが
)
えると、このときまで、
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
にあった、
商売上
(
しょうばいじょう
)
のことや、一
身
(
しん
)
の
損得
(
そんとく
)
などということが一しゅんに
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
のごとく
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
んでしまって、ただ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
明
(
あか
)
るくなるのが
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は、まだ
損得
(
そんとく
)
や姻戚關係の爲めに結婚しようとするロチスター氏の計畫に、非難がましいことを何も云はなかつた。それが彼の
意向
(
いかう
)
なのだと初めて知つた時、私は驚いた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
好い氣持だよ。彼處には何百人といふ人間が、彼の通りぎつしり詰まつてるが、奴等——と言つちや失敬だな——彼の人達には第一批評といふものが無い。
損得
(
そんとく
)
の打算も無い。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
腹が立つたら、出かけて行つて、
殴
(
なぐ
)
り合ふ方が本当だ。罵られて黙つて引込んでゐるのは文士位のものだ。しかし、これも
損得
(
そんとく
)
を考へてゐるのだと思へば、別に問題にするにも当らないけれど……。
批評
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
こっちに
損得
(
そんとく
)
はない——と思った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、
商売
(
しょうばい
)
ですから、
欲
(
ほ
)
しいものでも
金
(
かね
)
になれば
手放
(
てばな
)
しますが、
生涯
(
しょうがい
)
二
度
(
ど
)
と
手
(
て
)
に
入
(
はい
)
らないと
思
(
おも
)
うものがありますよ。そんなときは
損得
(
そんとく
)
をはなれて、
別
(
わか
)
れがさびしいものです。
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「冗談云つちや
不可
(
いけ
)
ません。さう
損得
(
そんとく
)
づくで、痛快がられやしません」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女
(
おんな
)
の
人
(
ひと
)
は、おじさんが、
損得
(
そんとく
)
をわすれて、いってくれる
心
(
こころ
)
がわかったので、
思
(
おも
)
わず
感激
(
かんげき
)
して
ひすいの玉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それを
大
(
おお
)
きくなってから、すこしの
損得
(
そんとく
)
で、
兄弟
(
きょうだい
)
げんかをしたり、たがいにゆききしないものがあれば、また
中
(
なか
)
には、
大恩
(
だいおん
)
のある、
母親
(
ははおや
)
をきらって、よせつけないものがあるといいますから
煙と兄弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“損得”の意味
《名詞》
損得(そんとく)
損することと利益を得ること。損失と利益。
(出典:Wiktionary)
損
常用漢字
小5
部首:⼿
13画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“損”で始まる語句
損
損害
損傷
損失
損亡
損料
損耗
損毛
損所
損徳