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接穂
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つぎほ
ふりがな文庫
“
接穂
(
つぎほ
)” の例文
旧字:
接穗
接穂
(
つぎほ
)
なく腕組みして黙ってしまっていた杉大門は、永いこと何をかブツブツ口小言をいっていたが、やがてグイと顔を持ち上げると
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
それは最初こそ、彼には楽しい想像の
接穂
(
つぎほ
)
としても親まれたが間もなくするうちに、それは
怕
(
おそ
)
ろしい恐怖の予言のように思われはじめた。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
二人は又
接穂
(
つぎほ
)
なさに困つた。そして長い事
黙
(
もだ
)
してゐた。吉野は
既
(
も
)
う顔の
熱
(
ほて
)
りも忘られて、
酔醒
(
よひざめ
)
の佗しさが、何がなしの心の
要求
(
のぞみ
)
と戦つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
彼はお延に言葉をかけようとして、
接穂
(
つぎほ
)
のないのに困った。お延も
欄干
(
らんかん
)
に身を
倚
(
よ
)
せたまますぐ座敷の中へ戻って来なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まして、お芳は、もともと不自然な、しかも、ゆさぶってみるにはまだあまりに早すぎる
接穂
(
つぎほ
)
でしかなかったのである。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
が、二葉亭は「イヤ、最う
断念
(
あきら
)
めた!」と黙り込んでしまったので、この上最早言葉の
接穂
(
つぎほ
)
がなかった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
すぐこっちに話の
接穂
(
つぎほ
)
が無くなってしまう場合も多く、それにああいうご勉強家のことですから、お邪魔しましても、何かお妨げするような気もいたしますので
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
幸子も
接穂
(
つぎほ
)
がなく、黙ってしまったのであったが、妙子が云うように、この気楽そうな鼾を聞いては、明日の会見をそんなに気に懸けているようには思えないのであった。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
果樹や花の木の新種というものは、実をもいで来て
播
(
ま
)
いて生やすよりは、
台木
(
だいぎ
)
を見つけてそれに
接穂
(
つぎほ
)
をするほうが早く成長する。そしてその台木には大ていは同種の木が用いられる。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
小歌が
莞爾
(
にっこり
)
と笑った時だけ、
不知不識
(
しらずしらず
)
の間に自分も
莞爾
(
にっこり
)
と笑い連れて、あとはただ腕組するばかりのことだから、年の行かぬ小歌には
堪
(
こ
)
たえ
兼
(
かね
)
て
接穂
(
つぎほ
)
なく、
服粧
(
なり
)
には
適応
(
にあ
)
わず行過た鬼更紗の紙入を
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
父はまた、野菜作りばかりでなく、屋敷内に竹林を作り、果樹をふやし、花物を植えつけ、
接穂
(
つぎほ
)
をするなど、いろいろ計画を立てて実行した。茶の木も少しあった。煙草の少し作られたこともあった。
私の父
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
いいなおしたる
接穂
(
つぎほ
)
なさ。
面
(
おもて
)
を背けて
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
接穂
(
つぎほ
)
なく肯いているばかりの圓太郎だった。口へ運ぶ盃のお酒が苦そうだった。で、一、二杯、口にふくんですぐ下へ置いてしまった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
話の
接穂
(
つぎほ
)
がなくなって、手持
無沙汰
(
ぶさた
)
で仕方なくなった時、始めて
座蒲団
(
ざぶとん
)
から滑り落ちた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
乃至
(
ないし
)
は長く忘れずにいるにしても、それを言い出すには余り
接穂
(
つぎほ
)
がなくてとうとう一生言い出さずにしまうというような、内から外からの数限りなき感じを、後から後からと常に経験している。
一利己主義者と友人との対話
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
清子は、少し悪い事を言つたと気がついて、
接穂
(
つぎほ
)
なくこれも黙つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
相手の心持ちが量りかねてお艶は、
接穂
(
つぎほ
)
がなくなってしまった。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
接
常用漢字
小5
部首:⼿
11画
穂
常用漢字
中学
部首:⽲
15画
“接”で始まる語句
接吻
接
接木
接近
接骨木
接唇
接待
接目
接触
接続