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捨賣
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すてうり
「だつて、
近頃の
相場なら、
捨賣にしたつて、あの
時叔父の
拵らへて
呉れた
金の
倍にはなるんだもの。あんまり
馬鹿々々しいからね」と
宗助が
云ひ
出すと、
御米は
淋しさうに
笑つて
呑ながら
最爰まで連て來れば
此方のものだ
先女が
捨賣にしても年一ぱい五六十兩が物はある
路用も十兩や十五兩はあるに相違なし
其外衣類大小迄奪ひとらば何でも小百兩の仕事だ
久し
振で甘い酒が
呑る悦べ/\と
云聲を
捨賣にしても六七百兩
位都合千五百兩餘の身代で御座りますと
聞て重四郎夫は
大層なこと
勿々然樣な處では先が不承知でと半分云はずお勇は
否々縁と云者は
然樣致した者では御座りません然し
御内儀さんに
成んと云ふ人が
歳を