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挺
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ぬき
ふりがな文庫
“
挺
(
ぬき
)” の例文
どの道、春廼舎の『書生気質』や硯友社連の諸作と比べて『浮雲』が
一頭
(
いっとう
)
地
(
ち
)
を
挺
(
ぬき
)
んずる新興文芸の第一の
曙光
(
しょこう
)
であるは争う事は出来ない。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
この若者は
其
(
そ
)
の数年後隣村の火事に消防に行つて身を
挺
(
ぬき
)
んじて働いたとき倉の鉢巻が落ちてつひに死んだ。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
つまり山岳が地を
挺
(
ぬき
)
んでて天に参する心持ちと、その崇高厳粛この世のものと思われぬ特質とが、こうした浄土図にふさわしい構成要素となったものにちがいない。
ある偃松の独白
(新字新仮名)
/
中村清太郎
(著)
唯
(
ただ
)
冒進
(
ぼうしん
)
の一事あるのみと、
独
(
ひと
)
り身を
挺
(
ぬき
)
んで水流を
溯
(
さかのぼ
)
り衆を
棄
(
す
)
てて又顧みず、余等
次
(
つゐ
)
で是に
従
(
したが
)
ふ、人夫等之を見て皆曰く、
豈
(
あに
)
坐視
(
ざし
)
して以て
徒
(
いたづ
)
らに吉田署長以下の
死
(
し
)
を
待
(
ま
)
たんやと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
懿文
(
いぶん
)
太子の
薨
(
こう
)
ずるや、身を
挺
(
ぬき
)
んでゝ、皇孫は
世嫡
(
せいちゃく
)
なり、大統を
承
(
う
)
けたまわんこと、礼
也
(
なり
)
、と云いて、内外の
疑懼
(
ぎく
)
を定め、太孫を立てゝ
儲君
(
ちょくん
)
となせし者は、実に此の劉三吾たりしなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
聡慧
(
そうけい
)
なる者は落つれどしからざる者は落ちずとあるごとく、馬に取っては迷惑千万だろうが、その忠勤諸他の動物に
挺
(
ぬき
)
んでたるを見込み、特別の思し召しもて、主人に殉し殺さるるのだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
とりわけ自己を批判するに極めて
苛酷
(
かこく
)
な人の癖として十目の見る処『浮雲』が文章としてもまた当時の諸作に
一頭
(
いっとう
)
地
(
ち
)
を
挺
(
ぬき
)
んずるにもかかわらず
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
露伴の初めて世間に発表した作は『都之花』の「
露団々
(
つゆだんだん
)
」であって、奇思
坌湧
(
ふんよう
)
する意表外の脚色が世間を驚かしたが、雄大なる詩想の群を
挺
(
ぬき
)
んずるを認められたのは『風流仏』であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
『八犬伝』が日本の小説中飛び離れて
挺
(
ぬき
)
んでている如く、馬琴の人物もまた
嶄然
(
ざんぜん
)
として卓出している。とかくの評はあっても馬琴の如く自ら信ずるところ厚く、天下の師を以て任じたのは他にはない。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
挺
漢検準1級
部首:⼿
10画
“挺”を含む語句
一挺
鉄挺
三挺
挺立
半挺
挺身
変挺
挺子
挺身隊
挺然
二挺
變挺
金挺
挺櫓
幾挺
牽挺
木挺役
挺進
焦挺
李挺
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