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打悦
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うちよろこ
尋て
能々相談なし給へと
勸めるに付彦三郎は
御深切の
御詞忝けなしと
打悦び
内外の
事共諜合せ橋本町へぞ急ぎける
出す事ゆゑ忠八
此金算段せられよと申ければ忠八は
打悦び其金子
必ず
調達致すべし
私し一ツの
工夫有とて清三郎に
耳語頼み
其夜油町新道伊勢屋三郎兵衞方へ
忍び入て金五百兩を
なしたる處へ
養父與惣次
息繼敢ず
馳來ればお專は
打悦び
挨拶の先にたつのは涙にて左右
詞出ざれば與惣次はお專に向ひ其
嘆きは
道理なり昨日聞きたる傳吉の
災難直參らうと氣は
急といふとも何も
寄る年に心の如く身は
動かず
漸々馳出し參りたり
仔細は何じやと
尋ぬるにおせんは涙の
顏を