手道具てだうぐ)” の例文
御徒士町辺おかちまちあたりとほつて見るとお玄関げんくわんところ毛氈もうせん敷詰しきつめ、お土蔵くらから取出とりだした色々いろ/\のお手道具てだうぐなぞをならべ、御家人ごけにんやお旗下衆はたもとしゆう道具商だうぐやをいたすとふので
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ぬすみ取清三郎は其隣そのとなりの金屋利兵衞方へ入りて彼の腰元こしもと竹を切殺きりころし娘の手道具てだうぐうばひ取り來りしが忠八にも是を話し我もたゞかへるは殘念ざんねんゆゑ是程のはたらきをせしと取たる品々しな/″\
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
呼出よびいだされ此品其方おぼえ有るやと尋ねられければまさしく覺え之あり私むすめ手道具てだうぐなるよし申立てしにぞなほまたお常お熊兩人へ嚴敷きびしくたづねられしかば忠八清三郎兩人よりもらひしまゝ何事も存ぜずと申により忠八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見たるやと問ふに娘は勿々なか/\怕敷おそろしくる事叶はざれば如何樣の者なるや一かうおぼえ申さずとこたふるにぞ利兵衞してまたお竹は何故なにゆゑ夜更に庭へ出たるやと云けるにおきくたゞ差俯向さしうつむいて詞なし利兵衞は暫時しばらくかんがへ此盜人我少し心當りの者あり然れども是と云證據なきゆゑ訴へ出難いでがたしとて夫より盜れし娘が手道具てだうぐうち紛失ふんじつの品々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)