手強てづよ)” の例文
義男はもうこの女を切り放さなければならなかつた。——斯う云ふ時にはいつ手強てづよい抵抗をみのるに對して見せ得る男であつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
上當年五十三歳に相成候と云たるてい顏色がんしよくことほか痩衰やせおとろにくおちほねあらはれこゑ皺枯しわがれて高くあげず何樣數日手強てづよき拷問に掛りし樣子なり大岡殿此體このてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
源「これは槍で突かれました、手強てづよい奴と思いのほかなアにわけはなかった、しか此処こゝ何時迄いつまでこうしてはられないから、両人ふたりで一緒に何処いずくへなりとも落延おちのびようから、早く支度をしな」
そして、お綱の手くびをつかみ止め、手強てづよねじげようとする。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此処で何様いう風に右衛門が巧みに訴え、上手に弁じ、手強てづよく筋を通して物語ったかは、一寸書き現わしたくもあるところだが、負けた相撲の手さばきを詳しく説くのもコケなことだから省いて置く。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かけ其日は入牢とぞ相なりける其後松坂町郡代の牢屋敷らうやしきに於て無殘むざん成かな富右衞門は日々ひゞ手強てづよき拷問に掛り今は五たい悉々こと/″\よわはて物ものんどくだすこと能はず一命既に朝夕てうせきせまるに付富右衞門倩々つく/″\來方こしかた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)