所存しよぞん)” の例文
しからばでよ。あへなんぢくるしめてなぐさみにせむ所存しよぞんはあらず」とゆるたまふに、よろこび、おそれ、かごよりはふはふのていにてにじりでたり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人々は平八郎にせまつて所存しよぞんを問うたが、たゞ「いづれまぬかれぬ身ながら、少しかんがへがある」とばかり云つて、打ち明けない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
願ふ所存しよぞんなり萬一小石川御屋形おやかたに於ても御取用おとりもちひなき時は越前が運命うんめいつくときなり其時予は含状ふくみじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
身共は阿弥陀仏を見奉るまでは、何処どこまでも西へ参る所存しよぞんぢや。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
平八郎は項垂うなだれてゐたかしらを挙げて、「これから拙者せつしや所存しよぞんをお話いたすから、一同聞いてくれられい」
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
持主へかへすべきや此上このうへ入牢じゆらうなつても出さぬ所存しよぞんかと申さるゝに勘兵衞恐れ入り御慈悲おじひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
させおき候はんや殊更渠等白状のおもむきにては私し方へ押入おしいり盜み致す所存しよぞんの由盜難たうなん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)