もどり)” の例文
さるゝもいやさに默止もだしれば駕籠舁かごかき共は夫婦に向ひもし旦那もどり駕籠ゆゑ御安直おやすく參りやす何卒どうぞのりなされといひけるに浪人夫婦は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たけらちひたるなかに、三四人さんよにんつちをほりるあたりにて、みちわからずなりしが、洋服やうふくたるばうちやん二人ふたり學校がくかうもどりゆるがつか/\ととほるに頼母たのもしくなりて、あとをつけ
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
... そこでお話は後へもどりますが、腸の病気は多く何から起りましょう」中川
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
行ける後から旦那々々馬を取つせへ安價く乘せへもどりだから酒代さかてだと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かんざしをまだささず、黒繻子くろじゅすの襟の白粉垢おしろいあかの冷たそうな、かすりの不断着をあわれに着て、……前垂まえだれと帯の間へ、古風に手拭てぬぐいこまかく挟んだ雛妓おしゃくが、殊勝にも、お参詣まいりもどりらしい……急足いそぎあしに、つつッと出た。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)