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我事
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わがこと
胸痛きまでの悲しさ
我事のように鼻詰らせながら亭主に礼
云いておのが
部屋に
戻れば、
忽気が
注は床の間に二タ箱買ったる
花漬、
衣脱ぎかえて
転りと横になり
人事我事分別をいふはまだ
早し、
幼な
心に
目の
前の
花のみはしるく、
持まへの
負けじ
氣性は
勝手に
馳せ
廻りて
雲のやうな
形をこしらへぬ、
氣違ひ
街道、
寢ぼけ
道
我事すでに
了れりとし主家の結末と共に
進退を決し、たとい身に
墨染の
衣を
纒わざるも心は全く
浮世の
栄辱を
外にして
片山里に
引籠り静に
余生を送るの
決断に出でたらば、世間においても真実
我事と
泥鰌の逃げし
根芹かな
丈草