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懸想
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けさう
ふりがな文庫
“
懸想
(
けさう
)” の例文
コルネエユは自分がモリエエル夫人に
懸想
(
けさう
)
して居る事に
就
(
つい
)
てモリエエルが煩問して居るのだと解釈してモリエエルの前に懺悔をする。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
跛足で
眇目
(
めつかち
)
で、自分の身體一つしか持つてないこの男が、名主の祕藏娘に
懸想
(
けさう
)
するとは、物事が少しどうかして居ります。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
縱令
(
よしや
)
われ等二人同じ女に
懸想
(
けさう
)
することあらんも、相鬪ふには至らざるべし。斯く言ひつゝ友は聲高く笑ひ、我首を抱きて戲れながらにいふやう。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
古写本
(
こしやほん
)
の作者は、この悪魔の話なるものをうるがんの
諷諭
(
ふうゆ
)
だと解してゐる。——信長が或時、その姫君に
懸想
(
けさう
)
して、たつて自分の意に従はせようとした。
悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
天守
(
てんしゆ
)
の
主人
(
あるじ
)
は、
御身
(
おみ
)
が
内儀
(
ないぎ
)
の
美艶
(
あでやか
)
な
色
(
いろ
)
に
懸想
(
けさう
)
したのぢや。
理
(
り
)
も
非
(
ひ
)
もない、
業
(
ごふ
)
の
力
(
ちから
)
で
掴取
(
つかみと
)
つて、
閨
(
ねや
)
近
(
ちか
)
く
幽閉
(
おしこ
)
めた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
宇治入道殿に
侍
(
さむら
)
ひける嬉しさといふはしたものを、顕輔卿
懸想
(
けさう
)
せられたるに、つれなかりければ遣はしける。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
将門が迎へた妻は、源護の子の扶、隆、繁の中で、
懸想
(
けさう
)
して之を得んとしたものであつた。然るに其の婦人は源家へ嫁すことをせずして相馬小次郎将門の妻となつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
幾多の恐ろしき暴風雨の後ある浜辺に漂ひ着いて一人の男に助けられ其の男の厚意によつて数年を暮す。するとその島の王がダネイに
懸想
(
けさう
)
して手に入れようとしてもダネイは応じない。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
豊雄ここに迎へられて見るに、此の富子がかたちいとよく、
三〇六
万
(
よろづ
)
心に
足
(
たら
)
ひぬるに、かの
蛇
(
をろち
)
が
懸想
(
けさう
)
せしことも
三〇七
おろおろおもひ出づるなるべし。はじめの夜は事なければ書かず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
山の湯や
懸想
(
けさう
)
びとめく髪ながの
夜姿
(
よなり
)
をわかき師にかしこみぬ
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
夜
(
よ
)
の
室
(
むろ
)
に絵の具かぎよる
懸想
(
けさう
)
の子太古の神に春似たらずや
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
懸想
(
けさう
)
と
詩歌
(
しいか
)
とさかづきとを
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「伊八は六十近いくせに、死んだ女房の妹のお萬に
懸想
(
けさう
)
して、うるさく言ひ寄るらしいが、お萬は若くて達者な
按摩
(
あんま
)
の
宅
(
たく
)
の市と
懇
(
ねんご
)
ろにしてゐる」
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
アルマンが「
此処
(
ここ
)
に居るのはわたしの
良人
(
をつと
)
です」と云ふ一語に驚いて
其
(
その
)
男は逃げ去つた。又
他
(
た
)
の若い諸侯がアルマンに
懸想
(
けさう
)
して忍び寄つたのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そこで大殿様が良秀の娘に
懸想
(
けさう
)
なすつたなどと申す噂が、愈々拡がるやうになつたのでございませう。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
只だ人々と我と相異なるは、彼は
懸想
(
けさう
)
し我は懸想せざるのみ。我俗眼もて見れば、彼人は餘りに天人めきたり。されど天人は崇拜の對象とすべきならん。「アバテ」はいかに思ひ給ふといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
懸想
(
けさう
)
の痛みを忍び泣きぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「もう宜いよ。お前なんかと來た日にや、毎日三人か五人に
懸想
(
けさう
)
してゐるぢやないか。湯屋で一人、往來で一人」
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
假令
(
よしや
)
われ男に生るとも、抱かば折るべき女には
懸想
(
けさう
)
せざるべしといへり。われは覺えず失笑せり。想ふにサンタは話の理に墜つるを嫌ふ性なれば、始より我を失笑せしめんとて此説をなしゝならんか。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「吉三郎は相模者だと言つたが、實は下田の者さ。お濱に
懸想
(
けさう
)
して江戸へ追つかけて來たが、お濱も滿更でなかつたんだらう、何べんも助けようとした位だから」
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
姪だと言つて居るが、あれは皆んな嘘で、五十過ぎの越前屋周左衞門が、年にも耻ぢずお前に
懸想
(
けさう
)
して、引取つて妾にする氣だから氣を付けろ——と斯んなことが書いてありました
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
想
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“懸想”で始まる語句
懸想文