“古写本”の読み方と例文
読み方割合
こしやほん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古写本こしやほんの作者は、この悪魔の話なるものをうるがんの諷諭ふうゆだと解してゐる。——信長が或時、その姫君に懸想けさうして、たつて自分の意に従はせようとした。
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
古写本こしやほんの伝ふる所によれば、うるがんは織田信長おだのぶながの前で、自分が京都の町で見た悪魔の容子ようすを物語つた。それは人間の顔と蝙蝠かうもりの翼と山羊やぎの脚とを備へた、奇怪な小さい動物である。
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
古写本こしやほんの伝説は、この悪魔のなり行きをつまびらかにしてゐない。が、それは我々になんかかはりがあらう。我々はこれを読んだ時に、唯かう呼びかけたいやうな心もちを感じさへすればいのである。……
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)