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懐
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なつかし
ふりがな文庫
“
懐
(
なつかし
)” の例文
旧字:
懷
余計に私なんざ
懐
(
なつかし
)
くって、(
菖
(
あや
)
ちゃんお遊びな)が言えないから、合図の石をかちかち叩いては、その家の前を通ったもんでした。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道家はひどく
懐
(
なつかし
)
いのでそのほうへ歩いて往った。彼はべつにその家の中へ泊めてもらおうとは思わなかったが。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
而
(
そ
)
して頭髪をも剃り落して、真黒な
頭巾
(
ずきん
)
を被った。今迄何処か人
懐
(
なつかし
)
そうな柔和であった眼は、
険
(
けわ
)
しくなって、生徒に対する挙動まで荒々しくなったのである。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼はその少女を
懐
(
なつかし
)
げに抱えると、又ベットに帰り始めたのであった。私は思わず椅子から腰を浮かせた。
蝕眠譜
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
今日まで
懕々
(
ぶらぶら
)
致候
(
いたしさふらふ
)
て、唯々
懐
(
なつかし
)
き
御方
(
おんかた
)
の事のみ
思続
(
おもひつづ
)
け
候
(
さふらふ
)
ては、みづからの
儚
(
はかな
)
き儚き身の上を
慨
(
なげ
)
き、胸は
愈
(
いよい
)
よ痛み、目は
見苦
(
みぐるし
)
く
腫起
(
はれあが
)
り候て、今日は
昨日
(
きのふ
)
より
痩衰
(
やせおとろ
)
へ
申候
(
まをしさふらふ
)
。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
上野の
停車場
(
ステイション
)
に着くと拝みたいほど嬉しくなります、そんな
懐
(
なつかし
)
い東京ですが、しばらく分れねばなりません。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もはや再び
懐
(
なつかし
)
き懐き御顔も拝し難く、猶又前非の御ゆるしも無くて、
此儘
(
このまま
)
相果て候事かと、
諦
(
あきら
)
め候より外無く存じながら、とてもとても諦めかね候苦しさの程は、
此心
(
このこころ
)
の外に知るものも
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
懐
(
なつかし
)
い姿を見るにつけても、お蔦に思較べて、いよいよ
後暗
(
うしろめた
)
さに、あとねだりをなさらないなら、久しぶりですから
一銚子
(
ひとちょうし
)
、と
莞爾
(
にっこり
)
して仰せある、優しい顔が、
眩
(
まぶし
)
いように
後退
(
しりごみ
)
して、いずれまた
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“懐”の意味
《名詞》
ふところ
ものを抱くときの胸のあたり。
着衣したとき、胸と体の間の空間。
金銭の持ち合わせ。
(出典:Wiktionary)
“懐”の解説
懐(ふところ)とは、衣服の胸の辺りの内側の部分である。また、仮に何も身につけていなくとも、前に出した両腕と胸とで囲まれる空間も、懐と呼ばれる。さらに拡大解釈して、何かに囲まれた空間のことを、懐と言う場合もある。なお、現実の空間ではなく、考え(胸中)のことを指す場合もある。
(出典:Wikipedia)
懐
常用漢字
中学
部首:⼼
16画
“懐”を含む語句
懐中
人懐
追懐
懐胎
懐紙
懐疑
懐妊
懐中物
懐中時計
可懐
内懐
山懐
感懐
懐姙
懐抱
胸懐
懐出
御懐
述懐
鬱懐
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