性來しやうらい)” の例文
新字:性来
あひだかれなんにも不足ふそくおもつてはなかつた。それを勘次かんじかへつてると性來しやうらいきでない勘次かんじたちまちに二人ふたりなびいてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
牛込築土前うしごめつくどまへの、大勝棟梁だいかつとうりやうのうちへ出入でいりをする、一寸ちよつと使つかへる、岩次いはじつて、女房持にようばうもち小兒こども二人ふたりあるのがた。む、ふ、つ、道樂だうらくすこしもないが、たゞ性來しやうらい釣好つりずきであつた。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もて營業と爲ぬ又同町に山田元益げんえきといふ醫師いしやあり是はれ庄兵衞が兄にて幼名をさなゝを庄太郎といひしが性來しやうらいからぬ品行おこなひありて賭博とばくを好みさけを飮み親に苦勞くらうを掛ることも度々あれば父はいか久離きうり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)