快哉くわいさい)” の例文
人は自分が財産を得たと聞いて飛び上りねまはり快哉くわいさいを叫びはしない。人は責任を感じ仕事を考へ始める。
岸をむ水は、石に觸れて倒立し、鹹沫しぶきは飛んで二人の面をてり。ポツジヨの興は風浪の高きに從ひて高く、掌をちて哄笑し、海に對して快哉くわいさいを連呼せり。
しかし僕の集めたがらぬのはかならずしもその為ばかりではない。むしろ集めたいと云ふ気持に余り快哉くわいさいを感ぜぬのである。或は集めんとする気組みに倦怠けんたいを感じてしまふのである。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
久しく山水に渇したるわが心を誘うて、思はず我をして手をつて快哉くわいさいを叫ばしめぬ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
最早もはや日本につぽんむかつて不禮ぶれいくわふるからずとまで、戰慄せんりつ恐懼きやうくするほど大軍器だいぐんき發明はつめいえうするともうしたことを、かのときは、きみたん快哉くわいさいさけんだのみ、わたくしいつ希望きぼうとして、ふかむねそこひそめてつたが
轟大尉とゞろきたいゐ双手さうしゆげて快哉くわいさいさけんだ。濱島武文はまじまたけぶみうでをさすつて
しようきたしようつたときには、わたくしおもはず快哉くわいさいさけんだよ。