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御隠居
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ごいんきょ
ふりがな文庫
“
御隠居
(
ごいんきょ
)” の例文
旧字:
御隱居
時々——半年に一度くらい——寒い季候には茶色のむくむくした
襟巻
(
えりまき
)
と、同じ色のとぼけた様な(
御隠居
(
ごいんきょ
)
さん帽子)を冠ったり
かやの生立
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
二人はまた
化
(
ば
)
かされたのでした。こんなふうではいつまでも
狸
(
たぬき
)
に打ち勝つことは出来ません。もう
御隠居
(
ごいんきょ
)
に相談する外はないと、二人は考えました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
御隠居
(
ごいんきょ
)
さん、すみませんが明日一日休ませていただけませんか。ちょっと手の引けない用事がございますので……」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そこがどうにも行悩みだが、
御隠居
(
ごいんきょ
)
奥様も
大層
(
たいそう
)
物のお分りになった方だし、御親類内にも
捌
(
さば
)
けた方が多いので、そんな訳なら、とにかく、屋敷へ呼寄せたい。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「ああ、もう帰ろう。遊んでいると
御隠居
(
ごいんきょ
)
さんに叱られるから。あたし明日から太十をお稽古するのよ。」
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
さりながら一旦切腹と思定め候
某
(
それがし
)
、
竊
(
ひそか
)
に時節を相待ちおり候ところ、
御隠居
(
ごいんきょ
)
松向寺殿は申に及ばず、その頃の御当主妙解院殿よりも出格の御引立を
蒙
(
こうむ
)
り、寛永九年御
国替
(
くにがえ
)
の
砌
(
みぎり
)
には
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼が東京住居をして居た時、ある日
隣家
(
となり
)
の
御隠居
(
ごいんきょ
)
婆
(
ばあ
)
さんが、「一ぱいになってこぼるゝ様になってるものを、せっせと来てくれンじゃ困るじゃないか」と
疳癪声
(
かんしゃくごえ
)
で百姓を叱る声を聞いた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
御隠居
(
ごいんきょ
)
さまは、別にこれという
病気
(
いたつき
)
も無いらしいに、気先だけがすぐれぬというているが、おつとめが急に
厭
(
いと
)
わしゅうなったのではあるまいか——なぞと、しきりに心配していられました。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
人間に嫁だの
姑
(
しゅうと
)
だのというものの無かった時代から、または
御隠居
(
ごいんきょ
)
・
若旦那
(
わかだんな
)
などという国語の発生しなかった頃から、既に二つの生活趣味は両々相対立し、互いに相手を許さなかったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「ああ、お隣りの
御隠居
(
ごいんきょ
)
さんですね。井戸ではないのですけれど……」
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
御隠居
(
ごいんきょ
)
は、
土平
(
どへい
)
の
声
(
こえ
)
を、
始
(
はじ
)
めてお
聞
(
き
)
きなすったのかい」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しごく
安楽
(
あんらく
)
な
御隠居
(
ごいんきょ
)
の
身分
(
みぶん
)
にして
上
(
あ
)
げるがどうだね。
文福茶がま
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
次郎七と五郎八とは、今度は
御隠居
(
ごいんきょ
)
に
化
(
ば
)
かされてるような気持ちになって、腹鼓をうってる狸とにこにこ笑ってる老人とをかわるがわる見比べていました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
大島紬
(
おおしまつむぎ
)
の
被布
(
ひふ
)
などを着込んでどこかの
大家
(
たいけ
)
の
御隠居
(
ごいんきょ
)
さんとでもいいたいようないでたちなので、田舎の百姓家のこちらの母などとは大違いで、年もよっぽど若く見えた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「
御隠居
(
ごいんきょ
)
、そうひやかしちゃいけやせん。
堪忍
(
かんにん
)
堪忍
(
かんにん
)
」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
正覚坊の像がいよいよでき上がった夕方、平助は村の
網元
(
あみもと
)
の家へ行って、そこの
御隠居
(
ごいんきょ
)
に、一部
始終
(
しじゅう
)
のことをうち明けました。御隠居はびっくりしました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「だが
御隠居
(
ごいんきょ
)
。おせんは
影
(
かげ
)
もかたちも
見
(
み
)
えやせんよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかも、誰がそれをしたのか
更
(
さら
)
にわかりませんでした。村の人達は非常に不思議がりました。ただ村の
御隠居
(
ごいんきょ
)
ばかりが、にこにこ笑いながら、その話を聞いていました。
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
村の人達は、
網元
(
あみもと
)
の
御隠居
(
ごいんきょ
)
から平助の話をきかせられて、大変気の毒がりました。そして、平助の死体を沼の岸に埋めてやり、その上に正覚坊の石像をのせて祭りました。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
隠
常用漢字
中学
部首:⾩
14画
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
“御隠居”で始まる語句
御隠居所
御隠居様
御隠居様杯