御紋ごもん)” の例文
染出そめいだしたる萌黄緞子もえぎどんす油箪ゆたんを掛て二棹宰領四人づつ次に黒塗くろぬり金紋きんもんむらさきの化粧紐けしやうひもかけたる先箱二ツ徒士十人次に黒天鵞絨に白く御紋ごもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
金梨地きんなしじを見るような日光が、御縁、お窓のかたちなりに射しこんで、欄間らんま彫刻ほり金具かなぐあおい御紋ごもん、襖の引手に垂れ下がるむらさきの房、ゆら
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それは、かるい、薄手うすで上等じょうとうちゃわんでありました。ちゃわんのしろで、すきとおるようでございました。そして、それに殿とのさまの御紋ごもんがついていました。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
御紋ごもんの旗をさずけて、常盤範貞は、ここの兵馬を、激励した。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と成され印をすゑし一書を下しおかれ短刀は淺黄綾あさぎあやあふひ御紋ごもん染拔そめぬき服紗ふくさつゝみて下されたり。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御紋ごもん散らしの塗り桶を前に、流し場の金蒔絵の腰かけに、端然たんぜんと控えておいでです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
使者ししやの間へしやうじ暫く御待おんまち有べしとひかへさせける間毎々々まごと/\立派りつぱに兩人もひそかにきもつぶし居しがやがて年頃は三十八九にていろしろせいたか中肉ちうにくにて人品じんぴん宜しき男の黒羽二重くろはぶたへ小袖こそであふひ御紋ごもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
将軍八代様のお湯殿ゆどの。八畳の高麗縁こうらいべりにつづいて、八畳のお板の間、御紋ごもん散らしの塗り桶を前に、お流し場の金蒔絵きんまきえの腰かけに、端然たんぜんとひかえておいでになるのが、後に有徳院殿うとくいんでんと申しあげた吉宗公で。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)