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けいせき
ふりがな文庫
“
形迹
(
けいせき
)” の例文
〔譯〕一
部
(
ぶ
)
の
歴史
(
れきし
)
、皆
形迹
(
けいせき
)
を
傳
(
つた
)
へて、
情實
(
じやうじつ
)
或は傳らず。史を讀む者は、須らく形迹に
就
(
つ
)
いて以て情實を
討
(
たづ
)
ね出だすことを要すべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
園田が今までそこらにいたらしい
形迹
(
けいせき
)
もなかった。湯殿と物置きと台所口へ通じる廊下があるとしても、そこまで考える必要はなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この結婚は、名義からいえば、陸が矢川氏に嫁したのであるが、
形迹
(
けいせき
)
から見れば、文一郎が壻入をしたようであった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
むしろ干渉のみを事とした
形迹
(
けいせき
)
がある。それにもかかわらず、わが文学は過去数年の間に著るしい発展をした。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こういう信念が上代にあったらしい
形迹
(
けいせき
)
は古典のどこにも見えていないし、現代における国家は家族とは全く性質の違ったものであることが何人にも明かに知られているからである。
日本歴史の研究に於ける科学的態度
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
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古エジプトではアウと呼んだ
形迹
(
けいせき
)
あり(ハウトンの『古博物学概覧』三〇頁)。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
けれども、お勢は
初
(
はじめ
)
より文三の人と
為
(
な
)
りを知ッていねば、よし多少文三に心を動かした如き
形迹
(
けいせき
)
が
有
(
あれ
)
ばとて、それは真に心を動かしていたではなく、只ほんの一時
感染
(
かぶ
)
れていたので有ッたろう。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
笹村が渡す月謝や本の代が、そのころ甥の
捲
(
ま
)
き込まれていた不良少年の仲間の飲食いのために浪費されるらしい
形迹
(
けいせき
)
が、少しずつ笹村に解って来た。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
令嬢は礼義上から云っても、梅子の間断なき質問に応じない訳に行かなかった。けれども積極的に自分から梅子の心を動かそうと
力
(
つと
)
めた
形迹
(
けいせき
)
は
殆
(
ほと
)
んどなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人が会合すれば、いつも尊王攘夷の事を談じて
慷慨
(
かうがい
)
し、
所謂
(
いはゆる
)
万機一新の朝廷の措置に、
動
(
やゝ
)
もすれば因循の
形迹
(
けいせき
)
が
見
(
あらは
)
れ、外国人が
分外
(
ぶんぐわい
)
の尊敬を受けるのを
慊
(
あきたら
)
ぬことに思つた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
そういう
形迹
(
けいせき
)
が少しもないことをも考えねばなるまい。
日本上代史の研究に関する二、三の傾向について
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
自分がこう云うと、今度は兄の方がぐっと行きつまったような
形迹
(
けいせき
)
を見せた。自分はここだと思って、わざと普通以上の力を、言葉の
裡
(
うち
)
へ
籠
(
こ
)
めながらこう云った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
就中
(
なかんづく
)
初子は亀千代の屋敷に往来した
形迹
(
けいせき
)
があるが、惜むらくは何事も伝はつてゐない。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
少なくともその
形迹
(
けいせき
)
だけは芭蕉以後の正風争いと同価値に終るようになりはせぬかと思われます。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕はその
形迹
(
けいせき
)
を失ってしまった。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お延は自分がかりそめにも津田を疑っているという
形迹
(
けいせき
)
をお秀に示したくなかった。そうかと云って、何事も知らない風を
粧
(
よそお
)
って、見す見すお秀から馬鹿にされるのはなお
厭
(
いや
)
だった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
迹
漢検1級
部首:⾡
10画
“形”で始まる語句
形
形相
形見
形状
形骸
形容
形代
形跡
形成
形式