彌立よだ)” の例文
新字:弥立
この場合若し圭一郎が髮床屋にでも行つて「それだ」と怖い事實を知つた曉を想像すると身の毛は彌立よだちがた/\と戰慄を覺えるのだつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
また昨日きのふ今日けふ新墓しんばか死人しびと墓衣はかぎくるまってかくれてゐよともはッしゃれ。いたばかりでも、つね身毛みのけ彌立よだったが、大事だいじみさをつるためなら、躊躇ちゅうちょせいで敢行してのけう。
わたくしごと現在げんざいそのなんのぞんで、弦月丸げんげつまる悲慘ひさんなる最後さいごぐるまで、その甲板かんぱんのこつてつたは、今更いまさらその始終しじゆう懷想くわいさうしても彌立よだほどで、とてもくわしいこと述立のべたてるにしのびぬが
オワイ屋さんにまで愛嬌をふりまいて其日々々の渡世をしのぐらしい婆さんの境涯を、彼は幾度千登世の運命に擬しては身の毛を彌立よだてたことだらう。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
猛狒ゴリラ!。』とわたくし一時いちじ彌立よだつたよ。