強過つよす)” の例文
鼻筋はなすぢ象牙彫ざうげぼりのやうにつんとしたのがなんへば強過つよすぎる……かはりには恍惚うつとりと、なに物思ものおもてい仰向あをむいた、細面ほそおも引緊ひきしまつて
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『そなたの、そのみぐるしい姿すがたなんじゃ! まだ執着しゅうじゃく強過つよすぎるぞ……。』わたくし何度なんどみぐるしい姿すがたをお爺様じいさまつけられてお叱言こごと頂戴ちょうだいしたかれませぬ。
「ははは。若旦那わかだんな」と、まつろうくちをはさんだ。「そいつァちとめが強過つよすぎやしょう。小僧こぞうさんにつみはねえんで。みんなあなたのわがままからじゃござんせんか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
わたくしなどは修行しゅぎょう未熟みじゅく、それに人情味にんじょうみったようなものが、まだまだたいへんに強過つよすぎて、おもってきびしいしつけほどこ勇気ゆうきのないのがなによりの欠点けってんなのです。