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つよす
鼻筋の
象牙彫のやうにつんとしたのが
難を
言へば
強過ぎる……かはりには
目を
恍惚と、
何か
物思ふ
體に
仰向いた、
細面が
引緊つて
『そなたの、その
醜るしい
姿は
何じゃ! まだ
執着が
強過ぎるぞ……。』
私は
何度醜るしい
姿をお
爺様に
見つけられてお
叱言を
頂戴したか
知れませぬ。
「ははは。
若旦那」と、
松五
郎が
口をはさんだ。「そいつァちと
責めが
強過ぎやしょう。
小僧さんに
罪はねえんで。みんなあなたの
我ままからじゃござんせんか」
私などは
修行も
未熟、それに
人情味と
言ったようなものが、まだまだ
大へんに
強過ぎて、
思い
切ってきびしい
躾を
施す
勇気のないのが
何よりの
欠点なのです。