式台しきだい)” の例文
旧字:式臺
つれて行かれたのは、この辺の山村にしては不似合なほど大きな門のある家で、玄関には一畳ほどの古風な式台しきだいさえついていた。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と、さすがの藤井紋太夫も、悲痛な覚悟をきめたらしく、式台しきだいに列座して、当主綱条つなえだ以下家臣一統とともに、老公の駕籠を見送るときは、その眉宇びう生色せいしょくもなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よくまあお父さんについて来られましたね、と驚いて、その式台しきだいで微笑された時にも、この子はうんとだけいって笑った。そうして自分で靴をぬぐとすぐに飛び込んで行った。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
御殿ごてん玄関げんかん黒塗くろぬりりのおおきな式台しきだいづくり、そして上方うえひさしはしら長押なげしなどはみなのさめるような丹塗にぬり、またかべ白塗しろぬりでございますから、すべての配合はいごうがいかにも華美はでで、明朗ほがらか
玄関げんくわん式台しきだいへ戸板に載せてかつぎ込まれたのは、薩州の陣所へ入浸いりびたつて半年も帰つて来ぬ朗然和上が、法衣を着た儘三条の大橋おほはし会津方あひづがたの浪士に一刀眉間を遣られた負傷ておひの姿であつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
轅棒かぢをトンとろされても、あの東京とうきやう式台しきだいひく下駄げたではられない。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
館の門をはいると、女中が式台しきだいの処へ出迎して居る。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
女中はつんとしたように皿を式台しきだいの上に置くと
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
両奉行は式台しきだい
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)