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ゐつ
つひ
一晩も
欠かさねえで、
四手場も
此の
爺も、
岸に
居着きの
巌のやうだ——
扨気が
着けばひよんな
事、
沼の
主に
魅入られた、
何か
前世の
約束で、
城ヶ
沼の
番人に
成つたゞかな。
殊に
其の
家は、
風通しも
可、
室取りも
可、
造作、
建具の
如きも、こゝらに
軒を
並べた
貸家とは
趣が
違つて、
其に
家賃もかつかうだと
聞くのに……
不思議に
越して
來るものが
居着かない。