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小箪笥
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こだんす
ふりがな文庫
“
小箪笥
(
こだんす
)” の例文
小箪笥
(
こだんす
)
の上に飾つた箱の中の京人形は、蠅が一斉にばら/\と
打撞
(
ぶつか
)
るごとに、
硝子越
(
がらすごし
)
ながら、其の鈴のやうな美しい目を
塞
(
ふさ
)
いだ。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
床の間には、
小箪笥
(
こだんす
)
が置いてあって、その側には、驚く程沢山な本が積みかさねてあった。辰子は、早速その本の一冊を借りやうと思った。
嫂
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「枕許の
小箪笥
(
こだんす
)
の上へ置いて、これから二人で見ようと言つてをりました。私はそのまゝ小用に立つて戻ると——あの有樣で」
銭形平次捕物控:287 血塗られた祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
母親は道夫のために
小箪笥
(
こだんす
)
からおやつの
果物
(
くだもの
)
をとりだして、
紫檀
(
したん
)
の四角いテーブルのうえへならべながらいった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
盗み出したのは納戸にあった
小箪笥
(
こだんす
)
で、その中から雑用金と
銀金具物
(
ぎんかなぐもの
)
などを取り箪笥は屋敷内へ棄てて行った。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
▼ もっと見る
小箪笥
(
こだんす
)
、と手をかけてぐっと引く。軽い所へ、錠がかかって居たからかたかたと音を立てたが、それと共に
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
樹木の多い場末の、軒の低い平家建の薄暗くじめ/\した小さな家であつた。彼の所有物と云つては、夜具と、机と、何にもはひつてない
桐
(
きり
)
の
小箪笥
(
こだんす
)
だけである。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
それは、来客用の寝室らしく、寝台と小卓と二脚の椅子と、
小箪笥
(
こだんす
)
の
外
(
ほか
)
には何もない
至極
(
しごく
)
アッサリした部屋であった。人間の隠れる場所は寝台の下を除いてはどこにもない。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼夜彼女が
持
(
も
)
て来てくれたほおずきは、あまり
見事
(
みごと
)
なので、子供にもやらず、
小箪笥
(
こだんす
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
に大切にしまって置いたら、鼠が何時の間にか
其
(
その
)
小箪笥を
背
(
うしろ
)
から噛破って喰ったと見え
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
小箪笥
(
こだんす
)
なんぞ買って、お金まで付けて
遣
(
や
)
ったというじゃないの、いまに赤んぼが生れたら引取って育てるなんて云うんでしょ、あたしだったらおたみなんかびりびりにひっちゃぶいてやるわ
寒橋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そしていつもの習慣通りに
小箪笥
(
こだんす
)
の引出しから
頸飾
(
くびかざり
)
と指輪との入れてある小箱を取出したが、それはこの際になって何んの用もないものだと気が付いた。クララはふとその宝玉に未練を覚えた。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それよりもむしろ竹細工の仕事の方が、この島の産物として認められてよいでありましょう。幕末頃、即ち千石船の出入りが盛であった頃、
小木
(
おぎ
)
の港は船で用いる
小箪笥
(
こだんす
)
を作るので有名でした。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
ちやうどその時は、アデェルが私の手をとつて部屋をあちこち連れて歩いて、美しい本だの壁にとりつけた
小卓
(
こづくゑ
)
や
小箪笥
(
こだんす
)
の上の飾物だのを見せてゐたのだが、私たちは
素直
(
すなほ
)
に主人の言葉に從つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「碁を打つ前にかぞえて納めた
小箪笥
(
こだんす
)
の中、三百両の不足じゃ」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ショールなんかにくるんで
小箪笥
(
こだんす
)
のうしろに隠してあったのだ。もっともこれは
破片
(
かけら
)
を一つだけ持って来たので、高さ一尺ばかりの石膏像のこわれたものが、すっくりそこにあったのだがね
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼は
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
小箪笥
(
こだんす
)
を売つて、洋服を送つてやることにした。そして
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
「そこに物入れの
小箪笥
(
こだんす
)
がある」と和助は云った
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
深喜は
小箪笥
(
こだんす
)
から菓子を出して
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
箪
漢検準1級
部首:⽵
15画
笥
漢検準1級
部首:⽵
11画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父