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こびなた
ふりがな文庫
“
小日向
(
こびなた
)” の例文
おやじの
葬式
(
そうしき
)
の時に
小日向
(
こびなた
)
の
養源寺
(
ようげんじ
)
の
座敷
(
ざしき
)
にかかってた懸物はこの顔によく似ている。
坊主
(
ぼうず
)
に聞いてみたら
韋駄天
(
いだてん
)
と云う怪物だそうだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幸子はそれまで
小日向
(
こびなた
)
の方にいた。朝子は一年半程前に夫を失い、河田町の生家に暮していた。幸子と二人で家を持つと決ったとき、大平は
一本の花
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
美しく晴れた晝下がり、初秋の陽はまだ存分に暑いのを、置手拭で
月代
(
さかやき
)
をかこつて、二人は
小日向
(
こびなた
)
の瀬尾家に着きました。
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何処
(
どこ
)
と云って尋ねて参る処も有りませんが、
小日向
(
こびなた
)
水道町に
今井玄秀
(
いまいげんしゅう
)
と申す医者が有ります、其の娘と手習朋輩で
前々
(
まえ/\
)
懇意に致した事が有りますが
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小日向
(
こびなた
)
から
音羽
(
おとわ
)
へ降りる
鼠坂
(
ねずみざか
)
と云う坂がある。鼠でなくては上がり降りが出来ないと云う意味で附けた名だそうだ。
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
「家は以前の所です。
小日向
(
こびなた
)
水道町
(
すいどうちょう
)
……覚えているでしょう。一日でも二日でも
能御
(
よご
)
ざんす。暇を見てちょっと来て下さい。失礼だが、これはその時の車代に。」
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かかるところへというあんばいに、
小日向
(
こびなた
)
の高台から一本道を大股にここへ急いで来る
燕合羽
(
つばめがっぱ
)
。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「知ってのとおり、おれは堀普請の
目付
(
めつけ
)
役をしておる、坂本も相い役だったが、——おれのところへやって来おって、
小日向
(
こびなた
)
の普請小屋に、不取締りのことがあるから、注意するようにと申しおった」
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
御承知の通り、小石川に
小日向
(
こびなた
)
という所があります。
半七捕物帳:55 かむろ蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
小日向
(
こびなた
)
に屋敷を持つて居られる赤井左門殿、二千八百石を
食
(
は
)
んで、旗本中でも屈指の家柄だ。知つて居るであらうな」
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一度見失った姿をチラと見うけましたのが、
小日向
(
こびなた
)
の
丹下坂
(
たんげざか
)
なので——あの広い
陰鬱
(
いんうつ
)
な
切支丹屋敷
(
きりしたんやしき
)
の中へと、すばやく影を
晦
(
くら
)
ましたには、拙者も意外な感にうたれました」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
じゃついでだから帰りに
小日向
(
こびなた
)
へ廻って御寺参りをして来ておくれって申しましたら、御母さんは近頃
無精
(
ぶしょう
)
になったようですね、この間も
他
(
ひと
)
に代理をさせたじゃありませんか
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小石川区
小日向
(
こびなた
)
台町
(
だいまち
)
何丁目何番地に新築落成して横浜市より引き移りし株式業深淵某氏宅にては、二月十七日の晩に新宅祝として、友人を招き、宴会を催し、深更に及びし
為
(
た
)
め
鼠坂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
姑
(
しゅうと
)
や小姑の多勢いた
家
(
うち
)
の妻になりきれなかったのはこの
故
(
せい
)
である。屈辱とも不義とも思わず
小日向
(
こびなた
)
水道町
(
すいどうちょう
)
の男の家へ誘われるがままに二度まで出掛て行ったのもまたこの性情によるのである。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
小日向
(
こびなた
)
の方へ催促に行こうと思うのだが、又出て
行
(
ゆ
)
くのはおっくうだから、
牛込
(
うしごめ
)
の方へ行って
由兵衞
(
よしべえ
)
さんの
処
(
とこ
)
へも顔を出したいし、それから小日向のお屋敷へ行ったり四ツ谷へも廻ったりするから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
小日向
(
こびなた
)
に屋敷を持っておられる赤井左門殿、二千八百石を
食
(
は
)
んで、旗本中でも屈指の家柄だ。知っているであろうな」
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
だから清の墓は
小日向
(
こびなた
)
の養源寺にある。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
両国から
小日向
(
こびなた
)
まで
駕籠
(
かご
)
、そこからわざと歩いて、唐花屋の入口に着いたのはかれこれ
酉刻
(
むつ
)
(六時)近い刻限でした。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
明治三十五年の夏、初めて上京した
石川啄木
(
いしかわたくぼく
)
が、
小日向
(
こびなた
)
の素人下宿で、ワグナーの「
白鳥の騎士
(
ローエングリン
)
」の英訳本を
耽読
(
たんどく
)
していたことを私は記憶している。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
兩國から
小日向
(
こびなた
)
まで駕籠、そこからわざと歩いて、唐花屋の入口に着いたのは彼これ
酉刻
(
むつ
)
近い刻限でした。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
で殺した太助の死骸を、わざ/\上流の大瀧へ持つて行つたのは細工過ぎたが、最初は大八車か何かで持つて行つたこととばかり思つたよ。女にあの死骸は運べまい。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は荒物屋の女房の好意で日蔭にも
澁茶
(
しぶちや
)
にも有り付きましたが、氣のきかない野良犬のやうに、
小日向
(
こびなた
)
の草原に潜り込んだガラツ八は、眞上から初夏の陽に照りつけられて
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
に屋敷を持つてゐる、千五百石取の大旗本大坪
石見
(
いはみ
)
、非役で内福で、此上もなく平和に暮してゐるのが、朝起きて見ると、娘の
濱路
(
はまぢ
)
がまるつきり變つて居たといふのです。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
で殺した太助の死骸を、わざわざ上流の大滝へ持って行ったのは細工すぎたが、さいしょは大八車か何かで持って行ったこととばかり思ったよ。女にあの死骸は運べまい。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
に屋敷を持っている、千五百石取の大旗本
大坪石見
(
おおつぼいわみ
)
、非役で内福で、この上もなく平和に暮しているのが、朝起きてみると、娘の
浜路
(
はまじ
)
がまるっきり変っていたというのです。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「——十三日の晩、
小日向
(
こびなた
)
の
竜興寺
(
りゅうこうじ
)
裏門まで行ってみろ——と書いてあります」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
両袖を合せてポンと叩くと、そのまま
弥造
(
やぞう
)
を
拵
(
こしら
)
えて、
小日向
(
こびなた
)
へ早足になります。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「小夜菊の死んだのも知らずに、舊藩の友人を訪ね、
碁
(
ご
)
を打つて酒を呑んで、たうとう泊つてしまつたよ、先の名は、
小日向
(
こびなた
)
の荻野
淡路守
(
あはぢのかみ
)
御家來、磯中三五郎殿、行つて訊ねて見るが宜い」
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「気の毒なのは神津の殿様と、お江野とかいうお妾だ。邸の中は言うに及ばず、
小日向
(
こびなた
)
中血眼になって捜し廻ったが、どこへ行ったか見当もつかねえ。——何とかしてやって下さいよ。親分」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「氣の毒なのは神津の殿樣と、お江野とかいふお妾だ。邸の中は言ふに及ばず、
小日向
(
こびなた
)
中血眼になつて搜し廻つたが、何處へ行つたか見當もつかねえ。——何とかしてやつて下さいよ、親分」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘濱路を産んで間もなく
亡
(
な
)
くなり、
嬰兒
(
えいじ
)
は草加の百姓午吉夫妻に預けられて、三つになるまで育ち、それから
小日向
(
こびなた
)
の大坪家へ歸されたのですが、お關に言はせると、午吉夫婦は自分の娘お關が
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嬰児
(
えいじ
)
は草加の百姓午吉夫婦に預けられて、三つになるまで育ち、それから
小日向
(
こびなた
)
の大坪家へ帰されたのですが、お関に言わせると、午吉夫婦は自分の娘お関が、里子の浜路と、よく似ているのを幸い
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人が
小日向
(
こびなた
)
へ驅け付けたのは、その日が暮れかけた頃。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小日向
(
こびなた
)
の瀬尾淡路守樣、お前も知つて居るだらう。
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
小日向
(
こびなた
)
第一の名水だよ」
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“小日向”の解説
小日向(こひなた)は、東京都文京区の町名。現行行政地名は小日向一丁目から小日向四丁目。郵便番号は112-0006。
(出典:Wikipedia)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“小日向”で始まる語句
小日向台
小日向台町
小日向水道町
小日向臺