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小佛
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こぼとけ
酒折の宮、山梨の岡、鹽山、
裂石、さし手の名も
都人の耳に聞きなれぬは、
小佛さゝ
子の難處を越して猿橋のながれに
眩めき、
鶴瀬、
駒飼見るほどの里もなきに
酒折の
宮、
山梨の
岡、
鹽山、
裂石、さし
手の
名も
都人の
耳に
聞きなれぬは、
小佛さゝ
子の
難處を
越して
猿橋のながれに
眩めき、
鶴瀬、
駒飼見るほどの
里もなきに
小佛の
峠もほどなく
越ゆれば、
上野原、つる
川、
野田尻、
犬目、
鳥澤も
過ぐれば
猿はし
近くに
其夜は
宿るべし、
巴峽のさけびは
聞えぬまでも、
笛吹川の
響きに
夢むすび
憂く
身は
疳癪に
筋骨つまつてか
人よりは
一寸法師一寸法師と
誹らるゝも
口惜しきに、
吉や
手前は
親の
日に
腥さを
喰たであらう、ざまを
見ろ
廻りの
廻りの
小佛と
朋輩の
鼻垂れに
仕事の
上の
仇を
返されて