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しゅくえん
ふりがな文庫
“
宿怨
(
しゅくえん
)” の例文
天下の
擾乱
(
じょうらん
)
も久しいことだ。世上、これを
皇統
(
こうとう
)
の争いともいっているが、またそもそもは、この義貞と
汝
(
なんじ
)
との
宿怨
(
しゅくえん
)
にもよる。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道衍と
建文帝
(
けんぶんてい
)
と、
深仇
(
しんきゅう
)
宿怨
(
しゅくえん
)
あるにあらず、道衍と、燕王と大恩至交あるにもあらず。実に解す
可
(
べ
)
からざるある
也
(
なり
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
コップは方々へ飛び、テーブルはひっくり返った。百姓らは本気になっていった。
宿怨
(
しゅくえん
)
を晴らそうとしていた。人々は床にころがって、猛然とつかみ合った。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「僕が悪かったに相違ないが、
先方
(
むこう
)
はそれを好い機会に
宿怨
(
しゅくえん
)
を晴らす積りだから卑劣極まる」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
彼は親の権威を頑固に守り通していたし、家代々の
宿怨
(
しゅくえん
)
におそろしく意地張りであったのだ。だが彼は娘を愛していた。彼は娘をもうこの世のものではないとあきらめて悲しんでいた。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
▼ もっと見る
ただ通りかかったというだけで、なんらの
宿怨
(
しゅくえん
)
も、無礼もあるものではない。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
城弾三郎を討ったるは
宿怨
(
しゅくえん
)
を果すため
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一つには魏の求めに逆らわず、二つには蜀との
宿怨
(
しゅくえん
)
を結ばず、三つにはいよいよ自軍の内容を充実して形勢のよきに従う。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関ヶ原以来の
宿怨
(
しゅくえん
)
といったようなものがついて廻るからな。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と寺島判事も早川先生には
宿怨
(
しゅくえん
)
を持っていた。
母校復興
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「何もかも、お聞き及びでしょうが、今は、
宿怨
(
しゅくえん
)
に宿怨が積もり、解きがたい争いとなりました。悪くすると、これは、大乱の兆しもみえまする」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
予と徐州のいきさつを承知しながら、徐州の
牧
(
ぼく
)
に任ずるからには、それに併せて、この曹操にも
宿怨
(
しゅくえん
)
を買うことは、彼は覚悟の上で出たのだろう。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日ごろ織田方に根づよい
宿怨
(
しゅくえん
)
をもっている本願寺末派の長島
門徒
(
もんと
)
に襲撃されて、この地方の織田被官はたいてい
殺戮
(
さつりく
)
や焼亡の難に遭ったのであった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信仰の上だけでも、この二人の間には、犬猿もただならぬ暗闘のあるはずですが、ヨハンの口裏には、何かより以上な
宿怨
(
しゅくえん
)
があるやに思われるふしがあります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上州方面にもはや、年来、甲州家に
宿怨
(
しゅくえん
)
ある
輩
(
ともがら
)
が、織田の手廻しを迎え入れて、火の手をあげ、道を
塞
(
ふさ
)
いでいる。お
館
(
やかた
)
以下大勢して、無難に通れようとは考えられぬ。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「承知いたした。御提示の条件をもって、
宿怨
(
しゅくえん
)
を水に流し、改めて、隣交の
誼
(
よし
)
みを結び申そう」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忘れたのか。
儂
(
み
)
と曹操とは、
宿怨
(
しゅくえん
)
のあいだがら、以来何も
溶
(
と
)
けてはいない。——いまもし、彼の誘交にまかせて、彼の下風に降れば、後にかならず害されるにきまっておる
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宿怨
(
しゅくえん
)
ただならぬ仲の吉岡拳法の一子と、偶然にも、素裸で会う機会につかまってしまった。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
せっかくの御配慮ではあるし、殊に、前田殿には、年来の敵たる
宿怨
(
しゅくえん
)
もわすれて、
切
(
せつ
)
に内蔵助成政の一命を助けたまわれと、
今
(
こん
)
早朝から、筑前様へ、熱心なおとりなしでござった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毛利氏と尼子氏との
宿怨
(
しゅくえん
)
は、大永三年、尼子
経久
(
つねひさ
)
と毛利
元就
(
もとなり
)
との手切れ以来であるから——その間の興亡流血は、ことし天正六年まで、実に五十六年間にわたる悲壮な闘争をつづけて来たわけである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両家の白骨を埋め合って来た
宿怨
(
しゅくえん
)
のあいだなのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第二、
宿怨
(
しゅくえん
)
、
私謀
(
しぼう
)
をいだかぬこと。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここは
宿怨
(
しゅくえん
)
の戦場だ。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“宿怨”の意味
《名詞》
宿怨(しゅくえん)
心に宿してきた怨恨。積年の怨み。
(出典:Wiktionary)
宿
常用漢字
小3
部首:⼧
11画
怨
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
“宿”で始まる語句
宿
宿直
宿屋
宿酔
宿世
宿業
宿場
宿禰
宿痾
宿下