宿場しゆくば)” の例文
夜の中に通り流石さすが晝中は人目をはゞかひそかに彼の盜み取し二百兩の金にて宿場しゆくば飯盛めしもり女を揚げて日を暮し夜に入るを待て其處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わかときことだ。いまではかまふまい、わたしてい二人ふたりで、宿場しゆくばでふられた。草加さうかあめつたのではない。四谷よつやはづれで、二人ふたりともきらはれたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのしやつぽを被つた労働者は、やけに石炭を運びながら、生活の没落を感じてゐる。どうせ嬶をたたき出して、宿場しゆくばの女郎でも引きずり込みたいと思つてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
宿場しゆくばとなふところは家のまへひさしを長くのばしてかくる、大小の人家じんかすべてかくのごとし。雪中はさら也、平日も往来ゆきゝとす。これによりて雪中のちまたは用なきが如くなれば、人家の雪をこゝにつむ
見て其嬋妍あでやかさにほく/\悦び在郷ざいがうそだちの娘なれば漸々やう/\宿場しゆくば飯盛めしもりか吉原ならば小格子こがうしわづか二十か三十の金を得るのがせきの山と陰踏かげぶみをして置たるが少しばかり手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
急ぐ程にやが宿場しゆくば共思はるゝ所へ出し頃は夜は白々ほの/″\明放あけはなれ往來の旅人も多く有ければ兩人は漸々やう/\心落付初めて勞れを覺えづ此邊にて一息ひといきつかんと茶見世に立寄て腰を掛ければ茶店の親父おやぢは茶を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)