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定連
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じょうれん
ふりがな文庫
“
定連
(
じょうれん
)” の例文
本堂にはお説経の壇が出来て、
赤地錦
(
あかじにしき
)
のきれが
燦爛
(
さんらん
)
としている。広い場処に、
定連
(
じょうれん
)
の人たちがちらほらいて、低い声で
読経
(
どきょう
)
していた。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
定連
(
じょうれん
)
のやうに毎晩寄つてくれる近所の若い人たちも、今夜は湯帰りの
湿
(
ぬ
)
れ
手拭
(
てぬぐい
)
をぶら下げながら黙つて店の前を通り過ぎてしまふんです。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
公爵、衆族院議長というよりも、国技館の
定連
(
じょうれん
)
として有名で、たまに姿が見えないと「徳川関休場」などと、雑観記事の見出しになった。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わからずやを言うなよ、隊長の近藤君や、芹沢君はじめ、みんなこの島の
定連
(
じょうれん
)
なのじゃ、貴様、若いくせに、ここまで来て
素通
(
すどお
)
りという法があるか」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これは自分のうちが色物の寄席のまえで、毎晩
定連
(
じょうれん
)
の格で遊びに行っていたものですから、いろいろ八さんや熊さんの出て来る
落語
(
はなし
)
にくわしいのでした。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
▼ もっと見る
高座
(
こうざ
)
の
右側
(
みぎわき
)
には
帳場格子
(
ちょうばごうし
)
のような
仕切
(
しきり
)
を二方に立て廻して、その中に
定連
(
じょうれん
)
の席が設けてあった。それから高座の
後
(
うしろ
)
が
縁側
(
えんがわ
)
で、その先がまた庭になっていた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
折々
定連
(
じょうれん
)
の客に投票を
請
(
こ
)
ひ新しき演題を定めあるひは作曲と演奏との批評を求むるなどこの小紅亭の高尚最新の音楽普及に力をつくす事
一方
(
ひとかた
)
ならぬを察すべし。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そこは多吉がひいきにする床屋で、老練な職人のいることを半蔵にも教えてくれたところである。多吉が親しくする
俳諧
(
はいかい
)
友だちのいずれもは皆その床屋の
定連
(
じょうれん
)
である。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
見せかけのこの親子連が成功するかしないかと
楽屋
(
がくや
)
を見抜いた商売女たちや店の連中、
定連
(
じょうれん
)
のアパッシュまでがひそかに興味をもって明るい電気の下で見まもっていた。
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
重兵衛さんの長男は自分等よりはだいぶ年長で、いつもよく勉強をしていたのでその仲間にははいらなかったが、次男の亀さんとその妹の
丑尾
(
うしお
)
さんとが
定連
(
じょうれん
)
のお客であった。
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
とか何とか云う理由から、このカッフェの
定連
(
じょうれん
)
の間には、
夙
(
つと
)
に通俗小説と云う
渾名
(
あだな
)
が出来ているらしい。もっとも
渾名
(
あだな
)
にはまだいろいろある。簪の花が花だから、わすれな草。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それでも入場料は五銭とか八銭とかの謂わば大衆的な
低廉
(
ていれん
)
のもので手軽に見られる立見席もあり、私たち貧書生はたいていこの立見席の
定連
(
じょうれん
)
で、これはしかし、まあ小芝居の方で
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「そいつはアトランチスの
定連
(
じょうれん
)
かね」
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
定連
(
じょうれん
)
の朝湯の客は、この物狂わしい先生の挙動を、
寧
(
むし
)
ろおかしがっていたが、先生は大急ぎで着物を引っかけて、帯を締めると、湯銭も茶代も、そっちのけにして
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
祖母もまたわたしに附添って、そのあとでは二、三年わたしより遅れて入学したわたしの妹に食ッついて、ときに矢っ張とも/″\その小使部屋で日を消す
定連
(
じょうれん
)
のなかの一人だったのである。
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
灯
(
ひ
)
ともし頃に家に帰ると、家では
定連
(
じょうれん
)
の外に、見知らぬ人も二三人来て、座敷一ぱい、いろ/\の道具や品物を置き並べ、まん中に置いた台の前に立って、定連の一人の新川堀の酒問屋の息子が
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
いつも遊びに来る
定連
(
じょうれん
)
の中の一人には相違ないが、年はなにしろ子供だろうが、肉体はいちばん発達している、顔に少し抜けたところはあるけれども、色は白いし
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼等三人がこの八日市の酒場へ逃げ込むと、そこには土間の
大囲炉裏
(
おおいろり
)
を囲んで、
定連
(
じょうれん
)
が
濁酒
(
どぶろく
)
を飲んだり、芋をつついたりして、
太平楽
(
たいへいらく
)
を並べている最中でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここまで言ってしまえば、当然このすばしっこい摺抜け者が、がんりきの百蔵という
名代
(
なだい
)
のやくざ野郎にほかならないことは、
定連
(
じょうれん
)
はみな感づいていないはずはないのであります。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
炉辺閑談といううちに、ここへ集まる
定連
(
じょうれん
)
のかおぶれを、ざっと記して置きましょう。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
定
常用漢字
小3
部首:⼧
8画
連
常用漢字
小4
部首:⾡
10画
“定”で始まる語句
定
定紋
定命
定規
定法
定宿
定石
定業
定期市
定例