なが)” の例文
お嬢様には、生きながらえて遊ばさなければならぬ御仕事がある筈、私は御同宗の方々と焼かれて、重い罪を償います、サンタ・マリ
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
芝雀しじやくる、福助のるあの梅川が八十三の皺くちやばゞあになるまで生きながらへてゐた事を考へるのは、恋をする者にとつて良い教訓である。
とくと私の志を述べて、暫く命をながらえて、己になり代ってうちのおっかアに孝行をして呉れるようにくれ/″\も後々あと/\の事を頼む
見つかってしまえばそのものの云いなりになるより他に彼らの生きながらえる途はない。そういう——代々下積みにいるものの観念が自らを納得させたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
ながらへ御とがめの身分をはゞからずおして此段御屋形樣へ言上ごんじやう仕り候此儀御用ひなき時は是非に及ばず私し儀は含状ふくみじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
都会の中に在りながら、私は遠く社会を離れて徒らに生きながらえているような気がした。そして何処とも知れぬ重苦しい羂の姿が私の身のまわりを取巻いた。
運命のままに (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
(いいえ、こうしてまで誓を立てぬと、私は貴下を殺すことを、自分でも制し切れない。一夜ひとよ冥土めいどへ留めました。お生きなさいまし、あらたにおながらえ遊ばせ。)
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かかる屑の屑なる国への追放と流竄るざんのほかの何物にも値せざりしを知るとき、なんの憧れとなんの望みとをもちて、臣はながろうべき? ノオノオ! この謀叛人ら驕り勝たんか
私は一家の父であり、働き、繁昌はんじょうし、事業に成功し、貸し家を持ち、政府に預けた金を持ち、幸福であり、妻も子も持っており、すべてそれらのものを愛し、生きながらえたい。
のめ/\生きてるような者ではないぞよ、目指す相手の蟠龍軒を討洩らし、心当りを捜す内、母の大病に心を引かれ、今日きょうまでおしからぬ命をながらえていたが
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)